6. 番外編:魅惑の地中海。
バルセロナを訪れる日本人観光客のほとんどは、ツアーによるものだ。統計を見たわけではないが、バルセロナの街を歩いてみればそれは分かる。ツアーのバルセロナ観光は半日だけというものがほとんど。サグラダ・ファミリアやグエル公園を見て、そそくさとバレンシアやマドリーへと去っていく。街をゆっくりと歩いているのは欧米人がほとんどで、バルセロナの街で日本人の姿を目にすることは、イタリアでのそれと比べて圧倒的に少ない。最高に開放感に溢れ、美しいバルセロナの街なのに、日本人はそれを堪能することなく去っていってしまうのだ。
ということで地中海で日光浴を楽しむ日本人などまず存在しない。いるのかもしれないが、見たことないのでそう言い切ってしまおう。ツアーでなくバルセロナを訪れたとしても、数ある観光地に時間を割かれこの場所に足を踏み込むことはないのかもしれない。
なんてもったいない。
僕は海が大好きなので、バルセロナを訪れるたびにここへ足を伸ばす。ランブラス通りをずっと南下し、コロンブスのタワーを過ぎたあたりからが海岸線だ。とはいえ、そのあたりはまだショッピングセンターやヨットハーバーが軒を連ねるエリアであり、ビーチに行くにはもうすこし歩かねばならない。
とはいえ美しいヨットを見ながら海に沿って歩いていけばほどなく念願のビーチに辿り着く。どんなに弾丸ツアーであっても、僕の心が求めてやまないバルセロナのビーチだ。このビーチは人工的に作られたらしいのだが、白い砂浜とヤシの木が続く遊歩道を歩くと気分は一気にリゾートだ。こんな感じの砂浜が何キロとなく続き、そこには平日でもなぜか人が溢れている。そのなかにはもちろんトップレスのおねえさま方も多数いる。
ビーチに着いたらどこでもいいので適当にごろりとしてしまえばいい。ということで僕はトップレス密集ゾーンを日光浴の場に決定。柔らかな砂の上に腰を下ろした。
と、ここで気になるものが目に入ってくる。なんといえばいいのだろうか、よくリゾートホテルなどのプールにおいてありそうな、寝っころがれるチェアだ。トップレスに視線を奪われそうになりつつも周りを見回してみると、そのチェアを使っている人、使っていない人と2種類に分かれているのが分かる。使えばいいのに使ってないということは、何らかの理由があるはず。砂浜に寝転ぶ感覚が好きなのか、お金がかかるか、のどちらかだ。しかし、料金を払うとなるとどうやって?気にしても仕方がないので遠慮なくチェア使用に決定する。違ったときは何とかなるものだ。
ところでバルセロナの海岸に打ち寄せる波は激しい。日本海のような荒波が、ドカンドカンと、次々に海岸を叩いている。泳いでいる人間の数が極端に少ないのもそのせいだろうか?無邪気にはしゃいでいた友人は見事ヒザやヒジをすりむいていた。みなさんもはしゃぎすぎにはご用心。
僕は実はこのとき、水着を用意していっていなかった。泳ぐようなことはないだろうと思っていたのだ。しかししっかりと水着を用意し、地中海と戯れている友人を見ていると血が騒いでくる。僕が着ているのは普通の短パン。ちなみに替えはない。この日は夕方からカンプノウでの試合が控えていたが、ひと泳ぎしてから日光浴がてら砂浜で乾かせば何とかなるのではないか。そう考え、僕は地中海の魚になることを決意した。ビバ・地中海。
ワカメもゴミも浮いていない海は最高!なにより港が近い街からすぐの海なのに、水が綺麗なことが驚きだ。南国でも同じだろうが、こういう海で泳いでしまうと、あの日本の汚い海では泳げない。いや、泳げはするが泳ぎたくない。つくづく日本は惨めな国だと思う。僕らの世代で変えていけるだろうか。変えていきたいなぁ。
ちなみに、この日は曇り空が多く、短パンは半分くらいしか乾かなかった。それもところどころで塩を吹きまくり。5月あたりからバルセロナに行かれる皆さん、水着は必須アイテムですぞ。
あ、そうそう。日本では海の家で金を払ってシャワーや着替えをすることが多いと思うのだが、バルセロナにはそういうものはない。あるのは無料のシャワーと、食べ物を売ってる売店のみ。着替える場所はないので、みんな家から水着を着ていく。海についたら、服を脱ぐ。それだけ。わかりやすく、そしてなんともセクシー。なかには水着を着てきてない女性もいて、そういう人はうまく着替えている。どうやって?そりゃ、スカートのしたから下着をとって、もぞもぞと水着を着ているのだ。そういうシーンに出会えたあなたは幸せ者!行きたくなってきた?
あ、最後に。書きかけて忘れていたことを1つ。上で紹介したチェアだが、これは有料。バイトかなんかの兄ちゃんが広いビーチを周回しており、勝手にチェアを使っている人たちからお金を徴収している。知らなかったから払わない、という姿勢をとれば無理やり徴収されることはなく、その場合はただチェアを没収されるのみ。しかし砂浜に素で寝転ぶのはなんとも心もとないので、やはりお金を払うか(料金は不明)バスタオルでも持っていくかしておこう。ビーチでは圧倒的にバスタオル派が多かったように思います。
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