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みんなの観戦記

 

スーパーゴールの数々に興奮!
TAKE さん

2006年10月15日 リーガ第6節 セビージャ戦

10/14のセビージャ戦を観戦しました。
このサイトでいろんな情報を仕入れることができて大変役立ったので、お礼の意味もこめて観戦記を送らせて頂きます。

 

僕はノウカンプまで試合を観に行きましたが、バルセロニスタではなくて浦和レッズのファンです。埼玉スタジアムの年間シートも持っています。Jリーグ開幕のときに、当時レッズのホームであった駒場スタジアムのすぐ近くの高校に通ってたんでレッズファンになりました。

レッズ以外でもパスを繋ぐ攻撃的なサッカーをするチームは好きで、レドンド全盛の頃のレアル、モストボイが仕切ってた頃のセルタ、4〜5年前のジュビロ磐田なんかも好きでした。現在で言えばやっぱりバルサは世界でいちばん面白いチームだと思うし、Jリーグでは昇格したばかりのヴァンフォーレ甲府なんかも良いチームだなって思います。残念ながらレッズはあまり攻撃的なチームではないのですが地元だし15年以上も応援してるので…。それに今年は初めてJリーグのチャンピオンになれそうです。

もしもレッズとバルサが対戦したらレッズを応援します。昨年にレッズ-バルサのプレシーズンマッチを見たときは、バルサの見事なパス回しに感動するよりも、うちのチームはどうしてこんなにへたくそなんだ!って腹立ててました。比較してはいけないって頭ではわかってるんだけど、こればっかりはしょうがないです。

 

今回の旅の目的は嫁さんと二人で世界一と言われるカンプノウでの観戦も兼ねて、バルセロナで3泊・パリで3泊の観光でした。試合のチケットはいろんなサイトでもクラシコなどの重要な試合以外は売り切れることはまず無いっ書いてあったんで当日券を買うつもりで出発しました。

前日の夜にバルセロナに到着して、当日は朝にまずチケット売り場に行きました。いつも埼玉スタジアムでは2階席で観戦しているのですが、今回は世界のスーパースターを目の前で見たい!と思ったのでラテラル(バックスタンド)の1階席を希望していました。ところが受付のきれいなお姉様が『1階席は後ろのほうしか残ってないから2階席のほうがいいよ』ってかわいい笑顔で言うので、ご忠告に従い2階席にしました。

まさかこの時点では上位のセビージャが相手とはいえ、放映権でもめて試合のテレビ放映が無くなり前売り券が売り切れていたとは知るよしもなく、帰国してからこのサイトを見てそのことを知ってびっくりしました。前売り券が売り切れていたとはいえ、当日券売り場では試合開始1時間前でも販売してる様子でした。

 

チケットを買ってからスタジアム・ツアーに行きました。みなさんが仰るとおり感動します。行ける時間があるのなら絶対行ったほうが良いです。

 

スタジアム周辺をウロウロしながら思ったのですが、前売り券売り場では売り切れという紙が貼ってあり、係員に聞いても、チケットは無いよの一点張りで当日券売り場は教えてないようでした。恐らく管轄が全く違うのではないでしょうか。僕らはたまたま当日券売り場の前を最初に通ったので良かったのですが、もし最初に前売り券売り場に行って当日券売り場の前を通らなかったらと思うとゾッとします。

当日の新聞では売店で買ったMARCA紙とSPORT紙とも先発予想がFWはジュリー、サビオラ、ロナウジーニョ、MFがデコ、イニエスタ、シャビでした。『なんだよー、メッシ先発じゃないのかよー』とは思いましたが、それ以上にちびっ子3人組の中盤が見れるのが楽しみでした。ところが…。

ちなみにMARCAは前日のレアルの敗戦を大々的に報じてたのに対し、SPORTはバロンドール候補に8人もあがったことを中心に7〜8ページぐらいはバルサ記事でした。カンプノウ観戦時に買うんだったらSPORTがおすすめです。

 

時間が余ったので観光や一度宿に戻るなどして再度スタジアムに行きました。席はラテラル2階の前から8席目。とても見やすい席でした。チケットのお姉さんありがとう!って感じです。カンプノウは相当古そうなスタジアムでしたが2階席、3階席が前にせりだしていて急傾斜のため、埼玉スタジアムより全然見やすいです。全体的に客席がピッチに近いため、6万人収容の埼玉スタジアムより10万人収容のカンプノウのほうが狭く感じました。

席まで到着すると、僕らの席には違うお兄さん二人がすわっていてどいてもらいました。そのお兄さん二人はその辺の適当な席にすわってはどかされ続けてました。他にも周りにはそういう人はいっぱいいて、どうやらこちらでは指定席でも空いてれば適当に座ってしまうのがあたりまえの様です。

 

先発が発表されると、バルサの先発はGKバルデス、DFベレッチ、マルケス、チュラム、シルビーニョ、MFモッタ、イニエスタ、シャビ、FWメッシ、グジョンセン、ロナウジーニョ。プジョルが外れるのは新聞各紙でなんとなく分かったのですが、先発予想されてたザンブロッタ、デコ、サビオラ、ジュリーが外れてました。今季のライカールトの采配は新聞各紙も予想しづらいようですね。

 

いざ試合が始まると、序盤は両チームとも細かいパスワークでペースをつかもうとしていましたが、徐々にセビージャペースになっていきました。

このセビージャというチーム。UEFAカップ覇者とはいえテレビでも一度も見たことがなく、日本の雑誌でも堅守速攻ぐらいなことしか書いてなかったので、ガチガチのサッカーをするのかと思ってあんまり期待してなかったのですが、ショートパスを多用した見てて面白いチームでびっくりしました。FWのカヌーテとルイス・ファビアーノは二人とも巨漢でありながら技術は高いし、中央のPoulsen(ポールセン?)や左サイドのAdriano(アドリアーノ?)右サイドのNavas(ナハス?)などが絡むパスワークは必見です。特に背番号15番のNavasはドリブルもセンタリングも非常にレベルが高く強く印象に残りました。

そのNavasと右サイドバックのD.Alvesを中心に何度もチャンスを作っていたセビージャが、前半の半ばにNavasのすばらしいクロスからゴールを見事にわりましたが、審判がノーゴールの判定。なにが起こったんだかよくわかんなかったなーなんて言ってたら、これまた微妙な判定でバルサがPKを獲得して、ロナウジーニョが決めてバルサ先制。あからさまな判定に、この時点ではすっかりしらけきった気持ちになってしまい、嫁さんなんてセビージャを応援しだす始末です。

 

ところが、ここからセビージャの更なる攻勢が続き、ついに見事な展開から同点ゴールがきまりました。このときに素晴らしいなーって思ったのが、何人かのバルサファンが立ち上がって拍手をしていたこと。昨年のマドリードでのクラシコで大活躍したロナウジーニョや、2〜3年前のチャンピオンズリーグでマンチェスターで活躍したレアルのロナウドにスタンディングオベーションが起こったように、敵チームでも素晴らしいものは称えられるヨーロッパの観客はいいなーって思います。レッズファンもそうなって欲しいとは思いますが、恐らく当分無理でしょう。

この同点ゴールの直後にメッシのドリブル突破から、ボールをうけたロナウジーニョが倒されて獲得したFKをロナウジーニョ自ら直接きめてバルサ再び勝ち越し。FKを蹴る前の『あー、入りそうだな』っていう場内の雰囲気、その期待に応えるロナウジーニョの技術。全てが素晴らしいゴールでした。

わずか、2分ぐらいの間に生まれたこの2つのスーパーゴールですっかり興奮してしまい、その余韻をひきづるように攻め合いながらも前半が終了しました。

 

後半のあたまから、セビージャが二人選手を代えてきました。セビージャのとって惜しいなーと思ったのが、FWのルイス・ファビアーノに代えて中盤の選手を入れてしまったこと。この交代によって、よりパスはまわるようになりボール支配率が明らかにあがったのですが、1トップとなったカヌーテが孤立する場面が目立ち、バルサゴール前に迫る場面は前半に比べて減少しました。

やや膠着した状態を打ち破ったのはメッシ!!ものすごいスピードで相手DFを何人かかわして、最後はGKの肩口を右足で浮かしたスーパーゴール!このゴールを目の前で目撃出来ただけでも幸せです。

このゴールが決まるとお客さんはぞろぞろ帰りだしました。おそらくこの後なにも起こらないってことを確信してんだろーなーって思ってたら、本当に何も起こらずに試合終了。終了のホイッスルが鳴った時には観客は半分ぐらいになってました。

 

僕がこの試合で注目してたのがイニエスタ。小柄で色白でサッカー下手そうな顔してんだけど、テレビで見てるといつも交代で出てきて良い選手だなーって思ってました。去年のチャンピオンズリーグなんて彼が出てきただけで雰囲気変わっちゃいましたからね。イニエスタはとにかく緩急をつけるのが上手で、シャビと二人で完全に中盤を仕切ってました。カウンターを仕掛けるのか、ゆっくりボールを回すのかというチェンジオブペースが本当に見事でした。敵がすぐ近くにいても平気でボールをあてられてたんで、仲間からの信頼も厚いんだなって感じました。デフィンスの時に相手の巨漢FWに吹っ飛ばされまくってましたが、僕個人的にはシャビより上だなーって思います。

新加入のチュラムは何故レギュラーじゃないんだろうって思ってたんですけど、ややバルサの早いパスワークについていけてないみたいです。試合終了間際に相手がパワープレーを仕掛けてきたときなどは抜群の強さを発揮してたけど、パス回しの時は一人だけぎこちなかった感じがしました。ディフェンスはただアバウトに前へ蹴り込むだけのセリエAに長くいたんだからしょうがないって言ったらしょうがないですね。

 

バルセロナの観客はひとつひとつのプレーへの反応が早かったです。恐らくコンマ何秒の違いなのでしょが、先制点のPKを獲得したシーンなどは、ベレッチが倒され審判が判断を下す瞬間には怒号があがってたんで、審判がつい笛吹いちゃったみたいな感じでした。普通に審判やってたら直前に相手チームのゴールを取り消した直後に、あのシーンではPKとれないはずですから。

あとは、ちょっとしたプレーにも大きな拍手が起きます。ディフェンスラインでボールをサイドチェンジしたとき。イニエスタがスライディングでカットしたときやメッシがパスコースを切って相手の攻撃を遅らせたときなど。本当にこっちの人たちはサッカー知ってるなと思います。

こういう雰囲気だとやってる選手は楽しいだろーなーって思います。ホームアドバンテージってこういうことなんだって実感しました。レッズの場合はサポーターが歌を歌ってる時間が長いので、それが本当の意味でのサポートに繋がっているのかは疑問です。でも埼玉スタジアムだって結構良い雰囲気なんですよ。

 

試合が終わって帰り道は地下鉄の違う駅から帰ろうと思って、方角だけ見当つけて人波についていったら駅に着くだろうと思って適当に歩いていったら大失敗しました。こっちの人はほとんどの人が車で来てるみたいで、でかい駐車場に着いちゃいました。薄暗かったし喧嘩してるやつもいて結構物騒な感じでした。帰り道はちゃんと知ってる道から帰ったほうが良いと思います。

今回のカンプノウ観戦は嫁さんも僕も試合内容といい満員のスタジアムの雰囲気といい(91,220人!!)大変満足出来るものでした。生きている間にあと1回ぐらいカンプノウに行きたーーい!!