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みんなの観戦記

 

東京・バルセロナ怒涛(?)の2往復!
妻曰く「ほとんど世捨て人」さん
2006年3月4日、リーガ第26節 デポル戦から4試合

● El Pre-Partido(プレマッチ)

バルサの試合は98年10月以来(ジャパン・ツアーは除く)。

まだカップ・ウィナーズ・カップがあったシーズンで、火曜はスイスでカップ・ウィナーズのグラスホッパーvsフィオレンティーナ、水曜はドイツでCLグループステージのバイエルンvsバルサ、木曜はイタリアでUEFAカップのラツィオvsバルチザン・ベオグラードと、3日続けて各地で観戦。

いま思えばW杯仏大会後のシーズン&中田英寿がペルージャ移籍と、サッカー観戦ツアーの黎明期でしたね(チケットはN通旅行です)。

そして初回募集でSocioに。2年続けてジャパンツアーは観たものの、あとはTV観戦、このサイト、チキート、携帯サイトで情報を漁る日々。

ところが、それが直接の原因ではないのですが、37歳にしてサラリーマンからドロップアウト。つまり会社を辞めたんです(リストラじゃないからね)。なんのあてもなく……。

 


●Ida 1a Parte(第1幕前半戦)
04/03/2006 Liga Jor26/Deportivo

会社を辞めて、のんびり有休を消化中の身。「海外でも行ってくればぁ」という新妻のひと言がすべての始まり。新婚旅行もしてないし、なら行くべかぁ! と手配開始です。

たっぷり溜まった私のマイレージは、夫婦でビジネスクラス往復OK(航空券より買い物で溜まったものです、当然ながら)。「ならその分、観戦チケットにお金使えるじゃん」と気持ちは大きくなる。

でもせっかくのSocio特典を使わない手はないということで、Deportivo戦はBarca公式サイトで予約。Lateral(バックスタンド)3階で1枚55ユーロ也。3/7のCL青油戦は公式サイトの抽選に外れ、業者にネットで手配依頼(サイドでお一人様8.3万円也。現地でもこれが適正価格だったと後に知る)。

試合前日はチケット受取り、練習見学、MUSEU&ツアー、BOTIGAと、日中をほぼCamp Nouで過ごす。個人的にはピッチへの通路脇にあるチャペルに感動。それにしても春休み旅行なのか、若い日本人男性が異様に目立つ(決して安くはあるまい旅費を彼らはどうやって捻出したんだ?)。

席は最高の見晴らし。チーム全体の動きを見たい私としては願ったりの位置でした。途中雨が降ったり止んだりだったものの全く気にならず。

試合はご存じのとおり、FW3人がそろって得点。集中力が途切れたところで2点獲られたものの、クライフ哲学的「スペクタクルなフットボール」で3-2と勝利。DeportivoもValeron抜きではちょっとキープ力が足りない。 青油戦を前にしては最高の肩慣らし(?)。

 


●Ida 2a Parte(第1幕後半戦)
07/03/2006 CL1/8Final Vuelta/青油

バルセロナに着いた夜(3/3)に旧市街のBARで一杯やってたら、イングランドの酔っ払い兄ちゃん4人(全員青油サポ)にからまれる。

「そのタコはマズイぞぉ、ホントに食うのかお前、あ〜食ったよコイツ」
てな具合です(実際は激ウマッ!)。Deportivo戦後の日曜あたりから青油サポは日本人を遥かに凌ぐ数に。

で、空港から出てきたMouはネクタイゆるゆるのおトボケ顔、相変わらず「成り上がり感」ビシビシ漂ってます。モノが投げられたバスの窓にはヒビが入り、「Mou、タイトルは金では買えないぜ!」とBlauGranaプラカードも(現地の新聞にも写真が載ってましたが、おそらくこの人日本人)。青軍団はこんな手荒い歓迎とともにバルセロナ入りしたのでした。

当日は昼間っからカタルーニャ広場でビール片手にヘベレケの青油サポ。必ず4人くらいの徒党を組んでは、「呑む → 歌う → 絡む → くだらない駄洒落でバカ笑い」がパターン。駅でも乗車券を買わずに入ろうして悪態をつく青油サポ。

スタジアムに向かうメトロの駅でビビる妻(海外初観戦)曰く、
「英吉利紳士って絶対ウソよ〜」。
それには私も賛成です。プレミアファンの方には大変申し訳ないがイングランド人サポは嫌い。

席はTribuna(メインスタンド)1階左、コーナーポスト寄り。練習に出てきた青油軍へのブーイングたるや、先のDeportivo戦とはまるで音量が違う。さらに試合前、Mouのベンチ入りでは確実にこの倍以上。
「Mou覚悟しとけよ、おらっ!」てな具合です。

ガウショがテリーをなぎ倒して決めたGolazoは残念ながら向正面。
でもこの直後からは、パス交換に「O〜le!」の大合唱(当然私も)。

「!!!Mou, cabron, saluda al campeon!!!」の大合唱(当然私も)。Messiの怪我、Puyolの黄紙、PKを除けば、昨シーズンの負けを糧にした、実に大人なBarcaを堪能できました。ホイッスル直後のHimnoも、この試合では最高の雰囲気です。勝ち抜けシステムを一応理解している妻は、「点がいっぱい入んなくて消化不良〜」とぼやいてましたけど。

 


●満足の帰国と、悶々の2週間。で……

世界でも旬なカタルーニャの食事、プライベートでのCAVA BODIGA見学、クルマを借りて郊外に日帰り旅行と、散々遊んで3/15に帰国。

ところが……、

準々決勝の相手は現地滞在中に決まり、第2戦がCasa。つまりEl ClasicoとBenfica戦が続けて観られる日程に。さらにヒマにかまけてネットでいろいろ検索してたら、いずれもチケット入手可ときたもんだ(ホテルとスペイン国内の航空券は全部ネットで予約。超便利!)。

「また行くの?」と呆れる妻も、実は行きそびれたレストランがあるんです。で、彼女は自分のマイレージでビジネス往復、私は格安エコノミー(泣)。こうして、バルセロナの守護聖人サンタ・エウラリアのお告げにより、私達は2度目新婚旅行へと、バルセロナにトンボ帰りです。

 


●Vuelta 1a Parte(第2幕前半戦)
01/04/2006? Liga Jor31/サビサビ銀河軍

3/30。2週間ぶりのバルセロナ。東京ならおそらく5月の陽気。日差しも強く、サマータイムに入って日没も20時過ぎ。3日遅れで来る妻にメールで伝える。

ダントツの首位ゆえかサビサビ銀河軍のだらしなさか、Clasicoなのに余裕しゃくしゃくの感。街、メディア共に、青油戦の如き殺気めいたものはなし。なんせ11p差ですもんねぇ。それより現地メディアはその後のBenfica戦を心配のご様子。

席はLateral(バックスタンド)2階、Gol Nord(北ゴール)寄り。スタジアムのモザイクは皆さんTVでご覧になってるはず。私にはBlauの紙。椅子が汚いので敷物にする人が大勢でしたが、私は当然キープ、後生大事にします。

実はこモザイクに憧れてたんですよねぇ、ずーっと……。思えば99-00のCL準々決勝。第1戦1-3で油まみれ以前のChelseaに敗れ、迎えたCamp Nouでの第2戦。Himnoと共にスタンドに出たモザイクは「2-0」。これをTVで見て鳥肌がたった記憶があります(この試合、BarcaTV Hitoriaでも放送しました)。

さてせっかくのClasicoも、筋肉お猿の退場がすべてのケチの始まり。PKで1点リードの時点では早くも、
「!!!Madrid, cabron, saluda al campeon!!!」が聞こえ出したんですがねぇ。

まあLarssonが2発外したのがこの時期のBarcaを象徴してました。でも、白おデブのシュートは敵ながら天晴れ。Eto'oにもあの落ち着きが欲しいもんだ、と思いつつタイムアップ。この値段(9.5万円也!!!)じゃ、消化不良&胃もたれは当然です。

ところでW社のK沢・S藤のコンビはどんな感じだったんだろう?この時点では、まだ録画はノーチェックなので……。

この試合、隣りには年間シートを持つ超ベテランの夫婦。奥様がラジオを聴いて旦那に解説、彼は野次専門です。Baptistaのシュートに「今のでMadridは2本目のシュートだがや」と私に解説。でもチャンスを活かせないBarcaにも当然厳しい声。中でもBellettiにはケンモホロロなほど辛口だった気がします(Bellettiはやっぱりクレからの信頼が相当薄いとみた)。でもカワイイ老夫婦。老いてもこんな感じで観戦したいもんです。

翌日の新聞1面はそれぞれ対照的。
MUNDOが「11p差をキープ、もうリーガは安心」→Barca贔屓なりの強がり調。
MARCAが「10人でも追いついて引き分けた」→Madrid贔屓なりの強がり調。

たまたまベンチでMARCAを読んでたら爺ちゃんが寄ってきて、Van Bommelが倒れる瞬間の写真を指差しながら、「ありゃPKちゃうで。しかしアルビトロ(審判)は最悪やったね」と。Barcelonistaなの?と訊くと、Perico(エスパニョールファン)だそうです。

 


●Vuelta 2a Parte(第2幕後半戦)
05/04/2006 CL1/4Final Vuelta/Benfica

ここまで3試合でシュートが39本。得点はPKの1点のみ。新聞では相当な心配ぶりです。ただし「青油よりは弱いはずや」と、どこかに余裕も……、前日まではそんな雰囲気。

当日は春の陽気も手伝ったのか、客の出足も遅くちょっとのん気すぎ。試合前も、Benficaサポの「エッセエレベー! エッセエレベー!」(SとLとBです)のほうが威勢が勝って「オレらもやれるんやでぇ!」な感じ。

私達2人はTribuna(メインスタンド)1階、Gol Notd(北ゴール)コーナー付近(お一人様7.3万円也)。地元Socio、Benficaサポ、日本人、駐在ビジネスマン(独・英多し)と、Casaの雰囲気もちょっと濃度薄めのゾーンでした。隣りはDECOユニを着た日本人の少年とそのお母さん。この2人、背もたれにカバーなんかしちゃって、「へえ、売ってんのかなぁ?」とよく見れば「FC Tokyo」のプリント。でも意外にハマってましたよ。

試合は開始早々のPKをガウショが外す波乱のスタート。「マズイなあ、この悪〜い流れ。負けパターンかぁ?」と場内騒然。でもさすがはクラック、しっかりケツは自分で拭きます。

1点取ってからは必死に試合をコントロール。元BarcaのSimaoがValdesのUNO×UNOを外して同点ならず。(Simaoよ、あの時君は若かった。今ならBarcaで十分やれる!)
そんで、Eto'oがトドメにズド〜ン。私達がいるポストに来て、顔をくしゃくしゃにして喜んでました。妻も大絶叫。手前の列にいたS山S樹氏似の日本人も大絶叫。隣りの少年はただ唖然茫然と立ち尽くし……。

Clasicoでの白おデブの憎たらしい落ち着きに私は天晴れと言いましたが、この時ばかりは「見直したぜ、Pichichi !!!」です。それとラストパスを出したBelletti。落ち着いてやればできるじゃん!

青油戦同様、タイムアップ直後のHimnoのなんと気持ちのイイこと!!! Barca, Que bien !!

 


●Al Final

翌日(4/6)からBarca熱を冷ましにBilbao&San Sebastianに1泊旅行。Vasicoの美食とSan Sebastianの街の雰囲気にはすっかり感動。「情熱の赤とは違って、青のイメージね」とは妻の言葉。いいこと言うじゃん、うちのカミさん!(La Realのことも一応説明しときました)。ここも絶対再訪したい街です。でも次はGariciaかな。

バルセロナに帰ってからは話題のデザインホテルに1泊。で、妻だけは翌日(4/8)帰国の途に……。

こうして、Barca4試合観戦もめでたく終わりを告げたのです……。

 


●Tiempo Suplmentario(ロスタイム)
09/04/2006 Liga Jor32

私の出国は4/11。独りで3日も遊べるわけです。でもBarcaはアウェイでRacing戦だしなあ、さて……と思ってたら、あるじゃないですか、第32節Espanypl-Atletico。

試合当日(4/9)のバルセロナはこれまた最高の陽気。モンジュイックは自転車やジョグなどスポーツを愉しむ地元の人々や、聖週間を利用した旅行客で賑わってました。

チケットはTribuna Superior(2階)で35ユーロ。「Tribuna Grande(1階)で35ユーロでどうじゃ?」と窓口のそばでお爺ちゃんから声を掛けられるものの、なんせトラック付きのスタジアム。「上へ上へ」がセオリーです。

午前中はチケットを買って、モンジュイックをお散歩。その後はCamp Nouにお別れするのと、無性にお肉が食べたくなり、N誌バルサ別冊掲載のBAR&レストラン「Rincon de Viti」へ(N誌の地図と説明は相当アバウトです、これクレームです)。フィレステーキ(合格点はあげられるけど、まあまあってとこです)、サラダと白ワインで十分満腹。

じゃあ一度ホテルに戻って……と考えつつ一服してたら、目に入ったのがお店の大画面TV。 「今晩のRacing戦は観られるの?」と訊けば「Si, Si!」だって。実はこの日のBarca戦はPPVのみの放送。 ならば17:00からモンジュイックで観て、その後「Rincon〜」で呑みながらTVで19:00のRacing戦という、なかなか強行かつオツな日程に急遽決定です。

Espanyolのお目当ては当然デ・ラ・ペーニャ。なんせ、白おデブがまだデブになる遥か以前、BlauGranaユニで世界を席巻していた時のご指名だったと言いますし、デ・ラ・ペーニャの雄姿も見たことなかったもんで。

ひとつビックリだったのは、日本の高校生が大勢スタジアムに入ってきたこと。実は彼ら、「Rincon〜」でも見かけた団体。中には某TV局解説でおなじみ、K間Y宏氏の顔も。少年に訊けば、某強豪県2校(S商とS東です)の合同チームが、こちらでの大会に出場すべくバルセロナにやってきたとのこと。

「へえ、羨ましいね。で、いつどこでどこと試合すんの?」
「よくわかんないッス」
「???」

試合はCopa del Rey決勝を3日後に控えるEspanyolが終盤なんとか追いついて1-1の引き分け。デ・ラ・ペーニャの光速パスも随所で見られて、チケ代のモトは十分に取れた、なかなかのゲームでした。

さて、モンジュイックを急降下、メトロを乗り継いで「Rincon〜」着。豚唐(名前を聞きそびれた)をツマミにビールをチビチビ。着いたときには1-2とリードされていたので、店内最大の盛り上がりはEto'oの同点ゴール。 それとDECOのポスト直撃のシュートではやっぱり「ウィーーッ!」です。あるお爺ちゃんは、なかなかいい形にならないBarcaにジレて、カウンターを離れて壁にもたれてみたり、入り口付近でもウロウロ。

「好機に弱い4番 サード 原」にイライラする私の父親とダブりました。

結果は2-2の引き分け。ま、6試合8pで優勝ですからたいした野次もなく、皆さんいそいそと家路へと急ぐのでした。

Camp Nou傍のBARで観戦というのも!Muy bien!です。Barcaがアウェイならこんな週末もアリ、ということでしょう(ここのTapasは美味。N誌もBARとして紹介すればよかったのでは)。

 


●筆者あとがき

ざっと駆け足でお伝えしましたが、いかがでしたか?

今、カタルーニャ広場脇の、滞在中のホテルのロビーで書いています。大勢の旅行者で賑わう広場のすぐそばとは思えない、シックでとても居心地のいいホテルです。

この旅は明日(4/11)で終わり。振り返れば、「わずかでも、自分が支えているんだ」と実感できて、しかも今世界で一番旬なチームのシーズン何回かのビッグマッチを、季節、相手ともに最高のタイミングで観られて幸せです。

そしてバルセロナの街も、10年前に初めて訪ねた時より格段に洒落た街になってました。
皆さん是非訪れてみてください。絶対損はしないはずです。

去シーズンのガウショのSuper Golazoを思い出し、Milan戦(4/26)のチケットを公式サイトで申し込もうかと (4/9 21:00締切り)、チラリと考えました。でもやめときました。バルセロナの守護聖人サンタ・エウラリア様だって、これほど極上の旅は続けて3度もプレゼントしてはくれますまいに。

それはそうと、いったいお金なんぼ使ったんだろ?
いまからカードの請求が怖いです……(ちょい冷汗)。

で……、これから私はどうやって食っていくんでしょう?(油汗)

ではでは、!!!Visca el BARCA !!!