末期ですなぁ。
この緩んだ空気こそが、失敗の大要因。
カーサでの最終戦も悲しい形で終了し、残すところ07/08の公式戦もあと一つとなったFCバルセロナ。優勝が懸かっているわけでもなく、2位も4位も懸かっていないバルサにとって、リーガ最終節のムルシア戦は完全なる消化試合でありまして、そもそもそんな仕事が残っている雰囲気すらない状況です。なのでメディアの関心はもっぱら、これからチームがどう掃除され、どう再建されていくのかに向かいます。まずは看板選手が自由行動を謳歌するこの環境を立て直していくことが、バルサ復活への第一歩でしょう。規律がない集団では、勝利などままなりません。
◇行方不明の二親分
バルサというクラブには、時として不思議な出来事が起こります。医療部の発表がよく分からないというミステリー、遠征先からの帰途に何人かの選手がいなくなってしまうミステリー、そしてクラブを代表する看板選手がいつの間にやら行方不明になってしまうミステリー。どれもクラブの不透明さや規律のなさを表している事柄であり、ラポルタ&ライカーバルサの持病みたいなものでありますが、どうやらサイクルの終焉と共に、それらのミステリーもまた目にする機会が増えていっているようです。本日のスポルト紙の一面見出しは、次のようなものとなっています。「ロナウジーニョとデコが消えた!」。この二大親分たち、数日前から行方知れずだそうで。本当に好き放題ですな。スケープゴート的ではありますが、批判は免れますまい。
チームライカーは元々、選手の自主性を重んじ、正当な理由があると判断すれば、自由な行動を認めてきました。それはチーム崩壊によってさらに無秩序と化している様子で、もはやなんだって許されるといった様相すら呈しています。怪我をしていて、リハビリが必要なはずのロナウジーニョはすでに4日間もカンプノウに出勤すらしておらず、デコは激しいブーイングを受けて前半で交代したマジョルカ戦の後、どこかへ消えてしまいました。交代も自分から決めたことだそうですし、昨日の練習も無断欠席。連絡も取れない。本当ならひどいもんです(クラブの公式発表は、許可ありとなっています→むしろこっちが問題?)。
◇全体練習に、たったの8人
そういった無秩序ムードはすっかりとチームにも感染してしまっており、昨日の試合翌日クールダウン練習に参加したトップチームの選手は、わずかに8名。その“真面目”な選手たちは、以下のとおりです。バルデス、ピント、アビダル、ウラゲー、プジョル、ボージャン、ドスサントス、エスケーロ。うん、きちんと練習にいつも参加してます、といった顔ぶれだ。欠席した16名の選手の中で、最初から別行動が許されていたのは、今日手術をするミリートと、リハビリ中のシルビーニョ、ジョルケラの3人。ロナウジーニョもリハビリ組ですが、行方不明なので除外します。また、チャビが急な発熱で自宅療養、マルケスがアキレス腱の炎症、エトーが頚骨のダメージだとか。ミリートと同じく今日手術のトゥレ・ヤヤはジムにてトレーナーと理学療法治療を行っています。
昨日のジムルームには、トゥレ以外の選手もいました。ある意味“サボリ部屋”と化しているジムで“トレーニング”をしていたのは、チュラム、アンリ、エヂミルソンのベテラン3人組。彼らは特に身体に問題はなく、普通にグラウンドで汗を流せばいいところですが、選んだのはジムでの機械相手の調整。イニエスタとグジョンセンはカンプノウでジョギングをしていたそうです。昨日の練習は、非公開。ファンからの野次を想定しての非公開ですが、そんなことをせずとも、ファンはすでにやじる気力さえ失せているような気がします。ちなみに太っ腹ライカーは今日から水曜の午後練習まで、どかっと延べ二日の休みをチームに与えました。
本日手術を行う2選手、ミリートとトゥレについて追記しておきますと、まずミリートは現地時間午後2時より、ヒザのスペシャリスト、ラモン・クガット医師執刀によるオペを受けることになっています。予定としては、全治に要する期間は6ヶ月。11月中旬頃の復帰を目指します。一方のトゥレは、午後3時半より脊椎の専門医であるエンリク・カセレス氏が手術を担当。彼の場合は十分に来シーズン開幕に間に合う模様です。どちらの選手も手術終了後、執刀医とクラブ医リカルド・プルーナによる説明会見が行われることになっています。
◇無秩序を放任した上層部の責任
05/06シーズンにサンドニにて栄華を極めて以降のバルサ凋落の原因については、様々なところで様々な議論がなされていますが、この無秩序放任主義こそが、その主たる元凶ではないでしょうか。遠征先からのバスに帯同せず、勝手に友人たちとどこかへ消えていっただの、個人的な営業活動のために練習を休むだの、ジムでの調整だとかでグラウンドの全体練習に出ないだの、そういったニュースがここ2年のバルサには多すぎます。今回のロナウジーニョの行方不明に関してはクラブからは一切の説明はないですし(最初から居ないかのごとく)、デコにしてもクラブの許可を受けているというのが発表ではありますが、もし許可があったとしても、ハーフタイムでさっさと帰宅し、次の日も練習に来ないなんていうのは、自由を与えすぎとの印象はぬぐえません。
あともう少しすればペップバルサが本格始動することになりますが、このラポルタ会長の賭けが成功するかどうかは、ペップの監督としての手腕以上に、役員会やチキ・ベギリスタインSTがチームペップにきちんとした仕事をする環境を用意できるかにあります。会長は先日のペップ新監督発表時に「ライカーはロッカールームをコントロールできなかった」、「チキに責任はない」といった旨の発言をしているのですが、大物選手たちに好き勝手を許し、ロッカーのたがを緩めた責任は間違いなく上層部にもあり、管理責任をすべて現場に押し付けて終わりでは、この先のペップ体制でもなにも変わらない可能性は十分にあるのです。
チキはドリームチーム時代の経験上、斜陽期にチームがどのような事態を迎えるか、予測していたといいます。しかし実際は、崩壊を防げませんでした。去年の時点でもっと断固とした決断を下していれば、あるいはチームは再生していたかもしれない。しかし上層部がとった決断はより容易な道を歩むことであり、それは完全に裏目に出ました。そして見て見ぬふりが続けられた放任主義。なので会長が「責任はない」と語ろうとも、チキには過ちを認め、今度こそロッカーに規律をもたらしてもらいたいのです。選手の大入れ替えよりもまず、規律の徹底こそが求められる改革ではないでしょうか。変われますか、チキ。あなた結構なカギですよ。
◇その他ニュースフラッシュ
○クライフ、ペップは大丈夫と太鼓判
エル・ペリオディコ・デ・カタルーニャ紙の連載コラムにて、御大ヨハン・クライフが愛弟子ペップ・グアルディオラにはまだ経験がないと批判する人たちに対し、次のように反論。「ペップはバルサのようなクラブの監督となるために求められる知識を、すでにマスターしている。クラブがなにを表しているか、ファンの期待、どうプレーすべきか、ロッカールーム、などね。監督としてはそれらが6割を占めており、経験にしても彼は選手時代に多くを学んでいる。」ものすごーく大雑把な訳なのですが、要するに“心配スンナ!”ってことでしょう。
○メッシ「僕ならビジャを獲得する」
アディダスのプロモーション活動に出席したメッシが、同席のビジャを絶賛して一言。「間違いなく、僕なら彼をバルセロナに連れてくるよ。彼ならどんなチームでも、いつもゴールを決めてくれるからね」。また、アルゼンチンのラジオ番組でのインタビューでチェルシーがメガオファー(1億ユーロ!)を用意しているとの噂に関して、「僕はバルセロナでとても良くやっているし、たしかにそんな話が出てるけど、それに関して僕が出来ることはチェルシーにありがとうって言うことくらいやね。あんなビッグクラブに関心を持ってもらって、誇りに思うよ」と答えています。
○会長と副会長、来週19日に会見
来週月曜の公式戦全日程終了後、バルサ会長ジョアン・ラポルタと副会長マルク・イングラが揃って会見に臨む予定。この1年の結果分析を発表し、来シーズンに向けた決意表明を行うことになります。役員会の落ちたイメージをどこまで復活させられるかは、この会見での両トップによる言葉次第です。
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