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2007年5月12日

2-3:悲しい送別会。

 

またも逆転負けを喫し、怒れるスタンドはパニョラーダ。

フランク・ライカーのカンプノウ生活5年間の功績、彼の人柄に感謝の気持ちを伝えるべく、フィエスタにしたかった今季地元最終戦(対マジョルカ)はしかし、シーズンを象徴するかのような逆転負け。スタンドにはハンカチの花が咲き乱れ、口笛のピー音が鳴り響く殺伐としたムードでの終幕となりました。ここまでくると、雰囲気は明らかに末期症状。反ラポルタの流れはもはや止めようもなく、今後役員会は非常に厳しいクラブ運営を行っていくことになります。徹底的に反省点を洗い出し、この2年間の湿った空気を完全に締め出さないかぎり、会長への口笛が鳴り止むことはなさそうです。

 

◇悲しむライカー

後半ロスタイムの93分にグイサの逆転ゴールが入った時、フランク・ライカーは思わずそっと天を仰ぎました。このとき彼は、一体なにを思ったのでしょう。“自分にはこんな終わりが相応しいよ”だったのか、あるいは“最後までついてないなぁ”だったのか。口笛が鳴り響く中、あるいは予定されていたというファンへの挨拶もなく、足早にロッカールームへと引き上げていったミスター。彼が会見室に姿を見せたのは、試合が終了してすでに半時間が経過した頃でした。監督はこの会見で、「トリステ(=悲しい)」という単語を連発していています。次のコメントを見ても分かるように、かなり凹んでいるライカーです。

「たしかに、私はシーズンがこれほど厳しい形で終わるとは予想してなかったよ。スポーツマンとして、別の終わりを期待していたんや。こんな苦しい結末は、耐え難い。辛くて、無情で、厳しいよ。私たちはこの状況を変えることができず、その中でプレーするのは非常に難しいんや。運は全て相手方にある。まるでマーフィーの法則のように、物事が上手くいかないときは、なにをしても上手くいかへんのや。悲しいことやね。観客席から選手への口笛も悲しかった。予想はしていたけど、あの雰囲気でプレーするのは悲しいものや。自然なリアクションとはいえ、選手を思うと私は悲しいよ。」

 

◇「ファンを非難することは出来ない」

ゲームはライカーの言うとおり、とても厳しいムードの中で行われ、結末も内容も口笛も、とにかく悲しいものとなりました。試合を通して、ライカーがピッチに登場した際は盛大な拍手が送られ、時にはライカーコールもあったりはしたのですが、クラシコを敵前逃亡したとみなされているデコやエトーに終始口笛が鳴らされ、19歳の誕生日を迎えたジョバニ・ドスサントスにまで厳しいブーイングがされたりしては、ライカーとしては嬉しくはなかったでしょう。フランクはこう述べています。「チームにとって悲しい夜やったし、私にとってもそれは同じやった。」もちろん、この日のスタンドの反応がすなわち、バルセロニスタ全体の気持ちとイコールではありません。あそこまでエトーに対してきつく応じる必要などなかった、と考えるクレ諸氏も多いことでしょう。とはいえ、エトーのバルサ生活も、これではかなり厳しそうです。

ちなみに「今はお別れ式典なんてことをするタイミングではないし、一切考えてもなかった」と語るライカーはそんな容赦ない観客の反応に対しても、悲しかったとの意を表明するだけで、あとは理解するとの言葉を送っています。このあたりも、実にライカーらしい。ミスター曰く、「観客を理解できへん、なんて言えへんよ。バルサは偉大なチームやし、バルサは主要タイトルを勝ち取るのが義務なんやからね。観客たちには、自分たちが感じていることを表す権利がある。そしてチームが彼らを動かしていかなあかんのや。今は悲しい瞬間ではあるけど、私たちに観客を非難することなんてできない。チームは環境に負けへん強さを身に着けなあかんし、時々はそれも出来てはいたんやけど、今日はチームよりも環境の方が強かったね。」

そして最後に「ここで働けたことは名誉やったよ。ビバ・メキシコ、ビスカ・カタルーニャ。」と語り、会見室をあとにしたライカー。記者たちからは去り行く監督に対し、拍手が送られたそうです。残りあと1試合、気を取り直して頑張ってくださいませ。しかし“メキシコ万歳”って、なんだ?

 

◇末期症状の役員会、短すぎたサイクル

昨日のマジョルカ戦の殺伐としたムードは、ガスパー時代以来の、かなり末期的だと感じさせるものでした。あそこまで反ラポルタの横断幕が溢れるようになり、口笛が吹かれるようになり、ハンカチが振られるようになると、もうそれは役員会の末期症状です。これまでにクレとしてヌニェス、ガスパー両氏が会長を追われる様を見てきましたが、だいたいは今と違いはありません。仮にラポルタ役員会がバルセロニスタの怒りを抑える方法があるとするならば、それは彼らがこれまでの過ちを心底反省し、完全に過去の悪しきサイクルを断とうとする意思が見えたときでしょう。それはきっとモウリーニョ招聘によって為されたはずなのですが、役員会の決断はペップ。今季の失態と、それに対する役員会の反応をふまえ、ファンの出した答えが昨日の閑散としたスタンドと、それでも激しく咲いたパニョラーダだったわけです。

クラブ史上最高となる得票数にて、颯爽と誕生したラポルタ役員会が、リーガ連覇&ヨーロッパ制覇という偉業を成し遂げたにもかかわらず、これほどまでに早くソシオの信頼を失い、「辞めろ!」の罵声を浴びせられる理由がなになのか、首脳陣は本気で考える必要があるでしょう。現執行部にはどうも透明性が感じられず、かつ責任を認めようとする姿勢もない。浮き沈みの激しいフットボル界ですから、上手くいかないときもあるでしょう。ずっと勝てるはずなんてないのです。しかしその不調時に、どう対応できるかで人の評価は決まります。ラポルタはこの2年間の行動で、あまりに高慢で無責任だという印象をソシオに与えました。決断を先送りにした挙句、責任を全て現場に押し付けるような発言。失われたカリスマは、もう取り戻せそうにありません。

 

◇ネガティブ要素満載での、チームペップの船出

本来であれば、これから訪れるペップ新時代をポジティブに期待したいところですが、この結末を見せられてしまうと、すぐには明るくなるのは難しいです。この破滅的光景によって思い出すのは、数年前に白組さんに訪れていた、ガラクティコ終焉時の様子。チャビの決勝弾にてベルナベウ・クラシコを落としてから、連敗に次ぐ連敗。クライシス感をいっそう深めていった彼らでしたが、恐ろしいのはそれが彼らの凋落のピークではなく、その後白いクライシスはさらに2年間続いたという点です。もしこの夏にラポルタ役員会がグアルディオラ新監督に十分な準備期間を設けず、またも場当たり的な日程を用意したとしたならば、このクラブはドツボにはまる危険性が極めて大。そしてその最悪が起きてしまいそうですから、本当に恐ろしいです。最終戦なのに4万人にも満たない観客数、そしてパニョラーダの意味を、会長さんたちが理解してくれますように。

ラポルタ役員会への不信任投票請求はすでに、怒れるソシオによって提出されました。投票が実現するかどうかは分かりませんし、実現したらしたで大変なのですが(準備期間があまりに不足!)、クラブを巡る動きとしては注目しなければなりません。また役員会内部もこれまでのような一丸体制ではなく、明らかな亀裂が見られるようになってきています。内部でゴタゴタと不和のある組織が勝利をモノに出来るはずもありませんので、これもバルサのお家芸とはいえ、チームペップには間違いなくマイナス条件。ペップはその情熱によってチームに勝利のダイナミズムを呼び込むことを求められる一方、その手足には枷がはめられているわけです。これでチームを再生できれば、それはもう奇跡と呼べるレベルでありますが、クレはその奇跡を信じて応援するしかない。ペップの健闘とフットボルの女神の加護を祈ります。

あ、でもまだ最後の1試合がありましたね。アニモ・ペップ!次の最終戦で3部リーグ優勝を決め、有利な立場で昇格決定戦へと臨んでください!そしてバルサBの2部B昇格を手土産に、トップチームへ!(チームライカーにはもう特に何もなし)。

 

 

 

 

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