ライカーに拍手を。
カンプノウ最後の試合を、ミスターのために勝利するのだ。
本日のマジョルカ戦は、ライカーバルサにとっての地元カンプノウでの最終試合です。03/04に始まったライカー時代も、今季で終了することがすでに発表済み。この2年間は腹立たしい出来事が満載ではありましたが、フランクがバルセロニスタに多くの喜びを与えてくれたこともまた事実ですし、最後のお別れくらいは気持ちよいものにしたいというのがバルセロニスタの気持ちです。なので今宵のカンプノウは紳士であり続けたライカーに対し、暖かい感謝の拍手を送ることになるでしょう。そしてチームは最後の意地を示すことによって、指揮官に最後のはなむけを。責任と恥を感じているというのなら、是非ともそれを姿勢で見せてもらいましょう。飾れ、有終の美。
◇5年のサイクルに終止符
正確にはチームライカーには来週のリーガ最終戦(対ムルシア)が残されてはいるのですが、ペップ後任監督が発表されたこともあり、本日のマジョルカ戦がラストゲームのような雰囲気となっています。いつものパターンだと、タイトルの懸かってないフエラでの最終節はお寒い結果になると決まっているので、ここで終わり気分となるのは、まあ自然な流れといえましょうか。なので個人的にも今日はなにやらセンチメンタルモードに入っておりまして、ライカー時代5年間の思い出があれこれと甦ってくる。どうしても新鮮な苦い記憶が優先的に出てくるのが残念なところなのですが、それでも2年前のあの栄光の瞬間は、いまでも心の宝としてこの胸に刻まれています。
最初のリーガ優勝を決めたシウダー・バレンシアでのレバンテ戦、連覇を決めたバライドスでのセルタ戦、ジュリが決勝弾を入れたサンシーロでのミラン戦、ヨーロッパ制覇を果たしたサンドニでのアーセナル戦、白組を粉砕した何回かのクラシコ、120万人が街に溢れた凱旋パレード、モウリーニョ・チェルシーとの因縁の対戦などなど、本当にこのチームはいろんな楽しみをファンに与えてくれました。そしてチームはその後、栄光から挫折へと転がり落ちていくわけですが、どんな時もフランクは選手たちに責任を押し付けることなく、非難することなく、粛々と紳士な姿勢を貫き通しています。紳士すぎたことが逆に、エゴ集団統率の妨げになったかと思うと、なんとも皮肉なものなのですが。。。とにかくライカーは良くできたお人でした。
◇最後までライカーはライカー
“寛容すぎたことでクライシスに対処できず、戦術的センスにも欠けていたけれども、彼の人としての誠実さ、真面目さを否定することは出来ない”なる評価が、バルサ監督として良かったのかどうかは置いておくとして、あれだけの失望をクレに与えておきながら、これだけ温かいムードで最後に送り出されようとしている人物は正直、他に類を見ません。大抵の監督はバルサというクラブを、裏門からひっそりと去っていくものでありますから。それだけフランクの性格の良さがバルセロニスタに伝わっているからなのですが、昨日の会見においてもライカーは、そのキャラクターを存分に発揮したコメントを発しています。
「私はいつもしてきたように責任を引き受けるし、誰も責めるつもりはない。私がただ言えることは、いま会長についてあれこれと語られているようやけど、ラポルタにはゴールは決められへんということやね。スポーツ部門は私の人格次第のところもあるけど、チームが機能するかどうかは、会長には関係のないことやからね。」ファンの多くはラポルタ役員会にもこの凋落の責任は大いにあると感じていますが、ライカーは非は自分にこそある、との考え。本当に良くできたお人です。「ライカーはロッカールームをコントロールできてなかった。責任はテクニコと選手たちにある」なんてことを言ってのけた会長さんとは、このへんが大きく違うところ。
もちろんライカーは、選手を非難することもありません。「選手たちはそれぞれの状況の中で、全力を尽くしてきたよ。個人的に誰がどうということじゃなく、全ての選手たちがクラブのためにベストを尽くそうとしていた。」ううう、やっぱあんた優しすぎます、フランク。そんな寛容さがチームに良くなかったのでは、といった質問にミスターは次のように答えています。「私はチームが機能するよう、あらゆる手を尽くしてきたよ。選択肢はいつもあるし、ファンは思うことを言えばええんやけど、私はこの仕事に心を込め、誠実に取り組んできたんや。私が下した決断はいつも、グループのことを考えてのことやった。」
◇ライカーに温かい拍手を
というわけで、今宵のマジョルカ戦はライカーバルサの送別会です。腹立たしいことは多々あるものの、そんな怒りはとりあえずはポケットへしまっておき、温かい別れに値する指揮官ライカーへの最後のご挨拶とする。それがバルセロニスタの気持ちであり、盛大な拍手が彼には送られることとなるでしょう。常に紳士で、常にバルサやファンに対して敬意を失わなかったフランクでありますから、そんな彼に対してはファンも敬意をもち、たくさんの感謝の言葉と共に、表門から送り出さねばなりません。なにぶん消化試合でしかも雨模様なだけに、観客の数は多くはないでしょう。しかしここでスタジアムに足を運ぶファンは、ライカーに最後のお別れがしたい熱心なファンです。あとはチームが意地を見せて勝ちさえすれば、いいムードの送別会となります。ゲームの最後にはライカーコールなり、スタンディングオベーションなり、その手のことが発生するはずです。スタジアムにいけないファンは、テレビの前で拍手!
そしてまた今日はチームライカーを構成する幾人もの選手にとっても、カンプノウ最終戦です。メディアが報じるところによりますと、来季の構想外選手は実に14人。リストラが断行されればほとんどがチームに残らないわけですが、そんな選手たちに対しても温かい声援が送られるかどうかは、ゲーム次第でありましょうか。本日、お別れ会のもうひとりの主役と期待されていたロナウジーニョが、相変わらず雲隠れ中なのは残念です。
一方で、自分たちへの批判の矛先を少しでも和らげるために、このタイミングでペップ新監督を発表した挙句、現場に責任を押し付けたとファンの多数が思っているラポルタ役員会に対しては、容赦ないブーイングも予想されます。果たして実現されるのかは??ですが、地元ファンには黒ハンカチでラポルタを迎えようとする動きもあるようで、会長登場時にはパルコに向け、口笛とハンカチが示されることになるでしょう。行き当たりばったりの役員会、意気地なしの選手にはブーイングを、誠実であり続けたライカーには拍手を。なにかと忙しい(?)カンプノウ最終戦でありますが、とにかく最後くらいはパーッと勝って、いいとこ見せてもらいたいところです。
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