6-0:今更のゴレアーダ。
こんな時期になってゴールラッシュを見せても、時すでに遅し。
クライシス・バレンシアをカンプノウに迎えての一戦は、予想に反して一方的なバルサのペース。今季最高スコアとなる6-0にてコウモリ軍団を蹴散らし、とりあえずは心地の良いゴレアーダとなりました。しかしその2時間後にはレアル・マドリがリーガ優勝を決めたため、この大量のゴールも言ってみれば“役立たず”。怒れるスタンドの口笛を黙らせる効果はありましたが、その程度のことです。ただポジティブだったのはボージャンが2ゴールを決め、ラウールの持つデビューシーズン最多得点記録を塗り替えたこと。そんな少年に水曜日に“パシージョ”をさせることになるとは、なんとも泣けてくるじゃないですか。もっと早く、こんな勝ちがほしかったです。
◇パルコへの激しい口笛とハンカチ
昨日のバレンシア戦、本来は好カードではあるのですが、両チームのダメダメ成績を見事に反映し、観客はわずかに54000人ほどでした。それでも甲子園が満杯になるほどではあるのですが、9万5千人が入るカンプノウはガラガラ。しかしこんな試合でもスタジアムを訪れるほどに熱意があるファン(観光客のぞく)はそれぞれに主張するところがあるもので、ラポルタ会長がパルコに姿を現し、選手たちがピッチに登場する際に鳴らされた口笛の厳しさから、その怒りは十分に伝わってきます。イムノが口笛で聞こえない光景なんて、ちょっと記憶にない。また、人数が少ないというのはあったのですが、それでもなかなかにスペクタクルなハンカチ乱舞も展開されました。
スタンドにはいくつかの横断幕もみられ、そのほとんどはラポルタを批判する内容です。テレビ画面に何度も大きく映し出されていたのは、「ラポルタ、さっさと政治家になれ」といったもの。一方で選手たちに対しても口笛は鳴らされてはいましたが、今回のブーイングはパルコ席が主役です。役員たちはゲームが早々に3-0となり、スタンドのファンがとりあえずプレーを楽しむことに専念してくれたことに安堵したことでしょう。選手たちが最後までさぼることなく、”マヂメに”プレーしたことも彼らにとっての助けとなりました。あと、エトーは「次も無冠なら出て行く」発言により立場が厳しくなったことが、交代時の口笛から読み取れます。
◇デコとエトー、次節クラシコ出場停止
このゴレアーダに関してはもちろん心地良くないことはないのですが、いかんせん今頃になってからでは遅すぎます。レアル・マドリがパンプローナできっちりと勝利したことで、数字的に彼らのリーガ連覇が決定してしまいました。よって次節36節、水曜日のベルナベウ・クラシコでは強制ではないですが、カンペオンを称えるための、バルサにとっては大屈辱の、“ベルナベウパシージョ”が行われることになります。これはもう、大げさに言えばクラブ史上に残る“悪夢”の儀式。まあそのような事態を引き起こした責任者でもある選手たちが、屈辱を甘んじて行うのは仕方ないちゃあ仕方ないのですが、どうもスッキリしないのはその”パシージョ”にチームの柱(リーダー)たちが軒並み参加しないことです。
怪我でとうの昔に欠場が決まっているロナウジーニョはもちろん、昨日はさらにエトーとデコが累積警告によって出場停止となり、次のクラシコには出場できません。エトーはこのカードについて「あと1枚カードをもらえば出場停止やと知らんかった。クラシコは出たかったのに」てなコメントを残しているのですが、彼のカード対象となったプレーがエリアから遠く、重要ではない場面だっただけに、わざと貰いやがった!と批判を向けられても仕方ないでしょう。デコも同様に、自身のカード数を知らなかったと語っています。しかしそれとは反対に、指揮官ライカーは「それは真実やないよ。彼らは知ってた。私たちは試合前にそう伝えている」と主張しており、もうなんだかなぁ・・・の状態。なんでしょうかね、これは。
プジョルやメッシ、ボージャン、怪我が癒えればイニエスタやトゥレ、ミリートといった“頑張っている”選手たちが悔しい“ベルナベウパシージョ”をすることになる(クラブとして拒否は可能)なかで、チームの大親分たちがこぞってベルナベウへ行くことを嫌がり、狙ってカードをもらったとするならば、これはもう非常に情けない話です。口を揃えて「クラシコには出たい」という彼らですから、ダメ元で取り消し請求をしてあげましょう。そして“パシージョ”をやってくるべし。そしてせめてマドリーに勝ってくるべし。
◇ボージャン、ラウールの記録を超える
ひとつ間違いなく言えることは、このゴレアーダがちょっとした慰めにはなるものの、実際的には何の役にも立たないということです。全てのタイトルを失った後に、リーガでは2位の座すら手放してしまった後になって、こんなゴールショーをしたところで遅い。あれだけ弱いバレンシアに大量得点を決めたところで特に意味もないし(彼らを地獄へさらに近づけるという意味はある)、それでこのチームの問題がごまかされるわけでもありません。ラポルタさんたちはド派手なパニョラーダが回避されたことで良しとせず、来季は拍手喝采でシーズンを終えられるよう、是非とも果敢な決断を下してもらいたいところです。しがらみを打破し、クレの求めるあの人をカンプノウへ連れてくるよう、どうかお願いいたします。
まあせっかくライバルに恵まれたことで大勝したのですから、ひとつ明るい話題も紹介しておきます。それはこの試合で2得点を決めたボージャン・クルキッチ少年のゴール数が今季通産10となり、ラウールのもっていたリーガにおけるデビューシーズン最多得点記録を塗り替えたことです。ボージャンはこれまでリーガ28試合に出場し、10ゴール。これはメッシと並んでチーム内2位の成績ですから、本当に見事としか言いようがありません。正直な印象として、この先の道の進み具合では微妙なことになりかねないメッシと違い、まっすぐに伸びる予感がビンビンで、伸び代もまだまだ残っていそうなボージャン。彼はラウールと同様、あるいはそれ以上の歴史をきっと作るでしょうし、あるいは来年の今頃、チーム不動のエースになっちゃってるかもしれません。アニモ、ボージャン!もちろん、メッシ&ボージャンでバロン・デ・オロを競い合うってのが、理想の未来像です。
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