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2007年4月29日

結末は天国か、地獄か。

 

正真正銘、掛け値なしの“真実の時”。

これからシーズン終了までの1ヶ月弱が、少しでも心ときめくものになるのか。あるいは怒号渦巻く、嵐の日々となるのか。それは今夜のオールド・トラッフォードの結果如何です。もしマンチェスターを退けることが出来れば、バルセロニスモは当分の間、モスクワでの栄光を夢見て過ごすことができる。そして逆の場合は、とにかくスゴイことになるのでしょう。負ければすべてがゼロになる、究極の実力テスト。しんどい挑戦ですが、この舞台に立てること自体がフットボル選手としての誉れです。バルサが闘い、闘い、戦いつくして90分間を終えられますように。そして願わくば、ポジティブな結果が伴っていますように。

 

◇チームライカー最後の任務

“夢の劇場”ことオールド・トラッフォードは果たして、バルサにとって夢の中継地点となるのでしょうか。それとも磔の場となるのでしょうか。リーガでは散々な内容と結果にて早々にタイトル争いから脱落(放棄)したバルセロナですが、指揮官の願いが叶ってか、ヨーロッパでは対戦相手にも恵まれ、ついに1/2ファイナルにまで上り詰めてきたチームライカー。出来すぎの感はどうしても否めませんが、くじ運だって実力のうち、あるいはプレミア全盛時代に世界(UEFA?)がバルサを必要としているということであれば、こちらとしてはその使命をしっかりと受け止め、全力を尽くすしかありません。せっかくここまでやってきて、プレミア勢の引き立て役ではつまらないのです。

内部規律の徹底だ!などと勇ましい大号令の下スタートした07/08シーズンも、フタを開けてみれば結局のところ何も変わっておらず、根本が変わらなければどんなに豪華な補強をしようとも、無駄であることがよーーく分かりました。このチームのサイクルは6月をもって終了。それに疑いを挟む余地はないのですが、最後にもうひとつくらい、歴史に足跡を残したっていい。クライフのドリームチームに並ぶ2度のヨーロッパ決勝進出を果たし、彼らも成し得なかった2度の優勝をやってのけることが、輝かしい功績を残したこのチームの最後の任務です。意地と根性、見せるべし。散り際にもう一度、まばゆい花を咲かせるのです。

 

◇自分たちのプレーを展開すること

バルサは今日の“決勝戦”に、ゲンかつぎの水色ユニフォームで臨みます。昨夏のデビュー以来、コパ・カタルーニャ決勝(対ナスティック)以外に“負けのない”というこの水色ユニ。ただし勝ったのもレバンテ、マジョルカ、シュツットガルトだけという、なんとも心もとない実績ではありますが、使えるものは何でも使えばいいのです。そしてオールド・トラッフォードで最後の練習を行ったチームライカーは、見たところ非常にやる気に満ちていて、精神的にいい状態にある模様。デポル戦であれだけ心あらずのプレーをしてくれたのですから、ここは燃えまくってもらわなければ困ります。それにもしチャンピオンズで優勝すれば、出来高ボーナスもひとり平均1億円ほど出るわけですから、やる気もプラスになるでしょう。

まあそれ以前に、オールド・トラッフォードでヨーロッパのセミファイナルを戦えるわけです。そんな機会って滅多なことであるもんじゃないですし、あのスタジアムの雰囲気はホントのホントに素晴らしい。正直ジェラシーさえ覚えるほどの空気を、あそこは作ってくれますから。なのでバルサはそれを楽しむしかありません。マンチェスターの皆さんはカンプノウの威容に多少ビックリしてたようですが、バルサはそれに飲まれてはならない。元々チームライカーには目立ちたがり屋が多いので、雰囲気がよりいっそう彼らを盛り立ててくれることを期待しましょうか。

ちなみに昨日の練習の最後では、バルサはペナルティの練習もしたそうです。それに関してライカー曰く、「別にペナルティ戦で勝ちぬけてもええわけやからね。実際私たちはその練習もしたし、必要とあらばしっかりシュートを打つ準備は出来てるよ。私たちの目標はゴールを奪い、自分たちのプレーを展開し、勇気をもってボールを支配し、相手のフットボルに乗らへんことやけどね。フィジカルの準備もOK。私たちは戦い、ソシオのために勝利する必要があるんや。」自信のレベルは五段階でトップの五だ、というライカー。その自信が本物であることを切に願います。

 

◇1つのゴールで、パノラマは激変する

バルサにとって、今日のゲームはひとつのゴールを決められるか否かに懸かってきます。超絶ゴラッソでも、相手のオウンゴールでも、泥臭いゴールでも何でもいい。とにかくこの1点が入るかどうかで、パノラマはまったく違うものとなるのです(ボコられないことは大前提)。時としてフットボルは、たったひとつのパスによって試合が決まります。どんなにショボいゲームでも、必ず一度や二度は「これだ!」というチャンスは訪れる。その決定的なパスを確実に決められるかどうか、相手のそんなパスを防げるかどうか、がまずは大きな分かれ目です。心配なのはこのバルサは、始まってみるまでどんなバルサか分からないところ。舞台装置が最高なのでいい方のバルサが出てきそうな気はするのですが、実際にこの目で確かめるまでは安心できません。セミファイナリストらしからぬ、へんなチームだ。

チームライカーは“チーム”というよりは、“グループ”といった方が適切かもしれません。ひとつの揺るぎない共通認識の下、目標に一丸となって突き進む姿が、そこにはないからです。これはデコやメッシといったところの柱となるべき選手が怪我でしばしば戦列を離れ、理想のフォーメーションが見つかってないことに起因するのでしょうが、それは同時にグループライカーから連続性と、それに基づく確固たる自信を奪ってもきました。このバルサにあるのは、一時のやる気が生む気まぐれないいプレーだけ。ここへきてゴールの仕方を忘れているのも気になります。

しかしなにが起こるか分からないのも、フットボルです。戦術云々は一朝一夕ではどうしようもなく、ゆえにバルサはその試合毎にどうにかなり、それでいて勝敗を大きく左右する、“勝利のキャラクター”でなんとかするしかありません。つまりはチームの闘志を奮い立たせるだけでなく、身をもって仲間の戦う手本となる、デコが非常に重要な要素になるということです。今日は間違いなく、ウルトラハードなゲームとなります。そんな試合はチャビやイニエスタのテクニックだけでは不十分。デコがどれだけ中盤で躍動し、トゥレとともにカウンターの芽を摘みまくるかが、バルサ勝ちぬけのカギです。あとはデランテロたちの決定力復活に期待。さあ失えばゼロになる究極の試験まで、あと数時間です。バモス、バルサ!全力を尽くし、悔いのない試合を!

 

 

 

 

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