0-0:目覚めたか。
引きこもるマンチェスターを、攻め切れなかったのが残念。
全世界注目のチャンピオンズ1/2ファイナル第1戦、カンプノウでのバルセロナ対マンチェスターは、0-0という結果で終わりました。ゲームは圧倒的に、リーガでのダメダメ状態から復調したバルサが支配。マンチェスターは自陣深くに引きこもり、バルサの攻撃をただ凌ぐことに90分を費やしたような印象さえ受けました。ただ惜しかったのは、とてつもなくバルサがコントロールした試合にもかかわらず、肝心のゴールが決められなかったこと。あとはほぼ完璧だっただけに、残念でした。ただし相手を無失点で抑えたのは、疑いようなくポジティブな要素です。次節、敵地で得点を決めれば、バランスはバルサ有利に大きく傾きます。
◇次につながる、自信を得た0-0
「0-0は悪い結果やないと思うよ。アウェイゴールは倍の価値があるんやし、マンチェスターはここでゴールを決められんかったんやからね。それに僕は、バルサがあっちで得点を奪えると確信してる。もし彼らが1点決めるのなら、僕らは2点決めてやるよ。」これが昨日はなんとなく緊張していたのか、以前の思い切りの良さがなく、どこか弱気にも見えたサムエル・エトーの試合後のコメントです。正直クレとしましても、あのグダグダになっていたバルサ守備陣がユナイテッドを相手に零封するのはしんどいかもと考えてましたので、無失点は朗報。次節は相手も前に出ざるを得ず、スペースが生まれますから、エトーのいうとおり得点機は必ず訪れることでしょう。そこで決められれば勝利に大きく前進です。
さらにエトーは続けます。「僕らはよく走れていたし、あとはちょっと正確性(決定力)が足りんかっただけやね。僕らが相手のリスペクトを勝ち得たかって?たぶんそうやと思うよ。でもマンチェスターの試合では僕らは相手に恐怖を与えるだけでは不十分やからね。そうやなくて僕らはあっちの試合に勝利し、決勝へと勝ち進みたいと思ってるんや。僕らは今回、ベストのレベルでプレーしていたし、こういう試合をしていれば、タイトルは獲れるよ。」オーケイOK。たとえマンチェスターといえども、自分たちのフットボルをやれば相手の自由にはさせないし、押し込むことが出来る。相手の強さを実感したと同時に、バルサ選手たちは自信も付けたでしょう。それがとても重要なことです。
◇甦った、中盤での分厚いプレッシング
昨日バルセロナの街は、一年でもっとも華やかな祝日の一つであるサン・ジョルディの日を祝う祭りムードに包まれ、非常に賑やかだったようです。きっとまだ肌寒い英国からはるばるやってきた赤シャツのインチャたちは地中海の暖かい太陽と美味しいビールを堪能し、最高のプチバケーションを満喫したことでしょう。太陽とビールが目的の、チケットなんて関係ねぇ!ファンも多数いたはずです。いい季節ですからね、これからのバルセロナは。まあそれはさておき、今回のバルサは実にいいフットボルを展開してくれました。ずっと前からこういうプレーが出来てれば、リーガは余裕でバルサのものだったでしょうに・・・。
カリスマ監督アレックス・ファーガソンさんは試合後の会見にて「守備ラインから前線へのボール展開が上手くいかなかったのが残念だ」と語っています。それすなわち、バルサのプレスが効いていた証拠。たしかにユナイテッドは守備的でしたが、これはある程度は計画していたにせよ、あそこまで守らされるとはきっと彼らも考えてなかったはずです。危険の芽は中盤にて早期に摘み取られ、マンチェスターはカウンターによっても決定機を作ることが出来ませんでした。ゴール前でのひらめき不足や、全盛期に比べるとスピードがないなど不満もありますが、まずはポジティブに捉え、バルサらしいいいゲームをしたと評価するのが妥当でしょう。
結果としては“カンプノウでも勝てない病”は治らなかったわけですが、内容はこれまでとは比べようもありません。ゴールを奪えなかったことを除けば、文句なく今季のベストゲーム。特に守備ラインの読みや中盤の激しい圧力はクレが期待していたものであり、トゥレとデコの存在感は抜群でありました。やはり気持ちが入っている状態での、この“現場監督”の果たす役割はすごい。バルサのバロメーターはデコ、とはよく言われた言葉ですが、今季のチーム不調は本当にデコ不在と密接に関わっていたのだという印象です。もしオールド・トラッフォードでもこのバルサが見れれば、赤い悪魔とて簡単にはゴールは入らない。そうなれば焦りも出るでしょう。週末にチェルシー戦があるマンチェスターさん、どうでますか。
◇マンチェスターはもう、“怖くない”
しかしなんですね、ユナイテッドのゲームは熱心に見てるわけではないのですが、クリスティアノ・ロナルドが納得いかないプレーに腹を立て、明らかに苛立っている場面を見るというのは、対戦相手として気分のいいものです。開始早々のペナルティが決まっていれば、と思うとゾッとしますが、カンプノウの罵声圧力とサン・ジョルディの御手がバルサを最悪の事態から救ってくれました。ありがとう、スタンドの皆さん、ありがとう、守護聖人。そしてこれは0-0で第2戦に大いなる希望をつないだからたたける大口なんですが、負けないことを優先し、歴史に残るゲームをする意思のなかったマンチェスターさんにはちょっと残念。もう少しスリリングなゲームになっていても良かったのになぁ・・・なんてね。もちろん、打ち合って2-2ではしんどいのですが。
ただ今回の試合で分かったことは、噂のマンチェスターも巷で語られているほどにどうしようもなく強いわけじゃなく、モチベーションに満ち満ちたバルサであれば、真っ向勝負が利くということです。本拠地での彼らは、保守的な戦術は許されません。となると、バルサにはカウンターというオプションが増える。本気で攻めてくるマンチェスターなるものを想像するとゾクゾクしますが、案外今回のように、中盤のプレスで潰せちゃうかもしれないわけで、バルサ戦士たちは自信をもって戦っていけば、やれそうな感じがするのです。意外と彼ら、バルサ流が苦手なんじゃないですかね。
願わくばマンチェスターにて、リバポーを0-3で粉砕したような、チェルシーを1-2で攻略したような、あんなゲームをバルサが繰り広げてくれますように。熱い声援を送ったスタンドは今度は敵に回りますが、それでもこの調子ならきっと大丈夫でしょう。“夢の劇場”を陥落させるのは容易ではないですが、決して不可能でもないです。マンチェスターはもはや、大本命ではありません。可能性は両者に五分五分にある。あとはどれだけ集中を切らさず、プレスをかけるバルサのプレーがやり通せるかどうかです。夢のモスクワは、あと一歩のところまできました。あと90分、栄光のステージまであと90分!きっとこのバルサならやってくれます。
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