最終防衛ライン。
ここを守りきらなければ、一気に崩壊もある。
リーガは残り7試合となり、首位との差は依然7ポイントのまま。残りを全勝したとしても、白組さんの結果次第では優勝できない可能性は大です。かえって、チャンピオンズ。こちらはしんどい相手との戦いばかりとなりますが、優勝までは残り4試合。やり方次第では、1勝3分でもタイトル獲得は可能となります。だからこちらの方が簡単という意味では決してありませんが、自分たちの力で道は切り開く余地がある点では、まだいくらかの希望は持てなくもない。いずれにしてもバルセロニスタの希望はヨーロッパに託されており、この大会こそが積み重なった不満を押しとどめている最後の防衛線です。最大級のプレッシャー下での、“運命の”シャルケ戦まであと数時間。待ち受ける結末は、歓喜か、それとも。
◇崖っぷちの会長
先週末のヘタフェ戦にて、カンプノウにはついに白ハンカチの花が咲きました。その怒りはパルコに座る会長へと向けられ、少なくともこんなチーム状態であってもスタジアムを訪れる熱心なファンの間では、ラポルタへの忍耐や信頼はすでに底をついていることを、あの光景は示していました。さらに会長は試合開始の数時間前、全国ペーニャ集会にて“扇動家”かと見間違えんばかりの強烈な怒鳴り演説を行っており、役員会の中での支持も損ねるほどの大不評を買っています。このところの各方面からの圧力により追い込まれ、内に秘めていた“本性”が暴れだしてしまったのでしょうか。なんであれ、会長がかつてないほどに厳しい状況に立たされているのは確かです。
「私たちにはリーガの可能性も残されている!」とその集会で熱弁したラポルタでしたが、ヘタフェ戦での新たなる失敗により、リーガのオプションは空気の抜けた風船のごとく萎んでいます。まともに考えるなら、選択肢に入れるべきではない。よって彼のプロジェクトを正当化するために残された道は、モスクワでのビッグイヤー獲得以外にありません。クレの怒りへの最後の防波堤を決壊させないことこそが、政権を生き永らえさせる唯一の手段。シャルケを退ければ、とりあえずは4月末までのファンの熱狂(視線そらし)は約束されます。
◇気負わず、落ち着きつつ、勇敢に
ちなみに昨日午後のカンプノウでの非公開練習直前、ラポルタ会長はロッカールームを訪れ、選手たちを激励しています。そう、コパ準決勝バレンシア戦前日のように。そういう意味でいえば、縁起の悪い訪問です。さすがに今回は勝利ボーナスなるニンジンは提示しなかったのですが、その10分間の訪問の中で、会長はとにかくポジティブに、選手たちを励ましたということです。それは自らへの励ましであったかもしれません。そして選手たちはグラウンドへと出て行ったわけですが、昨日はそのまま会長、マーク・イングラ副会長、チキSTらも揃ってベンチにて練習を見学。さすがシャルケ戦が最終防衛ラインだけに、気合の入り方が他とは違います。
少なくとも今日のシャルケ戦では、試合が最悪の結末を迎えないかぎり、スタンドのファンはチームに好意的な振る舞いを行うでしょう。ヘタフェ戦までのことは一時忘れ、クラブ一丸となって選手たちを後押ししなければ、好い結果など訪れはしません。昨日はシャルケはマンチェスター戦への通過点と書きはしましたが、実際のところ、この関門はそう簡単に通行を許してはくれるはずもない。赤い悪魔のことを考えていると、手痛い目に遭いかねません。まあ今のチーム状態なら過信による失敗より、自信喪失による失敗の方が有り得るのですが。。。
試合への入り方ですが、リードを守りきろうなんて器用なことを考えるべきではないです。そんな計算の利く組織力など、今のバルサにはない。第1戦は後半にラインを下げてコントロールを失いましたので、その轍は踏まぬよう、最初から圧力をかけ、勝負を早期に決着する方向へ向かうのです。潜在能力は雲泥の差があるので、気負いすぎて空回りしなければ、そこで差をつけられる可能性は高いでしょう。シャルケは勝ち抜くためには、バルデスから最低2点奪わねばなりません。必ず勝負を賭けてくるので、そこをどうかわし、逆にどう活かすか。先制点決め、あとは悪い病気を再発させないように集中を切らさずにいけるか。ここらをどう改善できているかが、カギとなります。そして最後はやはり、勝利へのがむしゃらさ。“見てくれ”より、姿勢です。
◇ある意味スペクタクルな試合
勝利の栄光が及ぼす影響力は、数多あるフットボルクラブの中でも群を抜いて強大なFCバルセロナは一方で、敗北(それも連続した敗北)による批判も非常に厳しいクラブです。クレは毎年トレブル達成を夢見ていて、現実にそれが成されないからといって怒り狂ったりはしないものの、少なくとも年に1回はなんらかのタイトル獲得を祝いたいと願っています。ゼイタクな話ではありますが、そのために毎年巨額の補強費と、高額な給料を支払っているわけです。なので2年連続無冠、別の言い方をすればムンディアリートやリーガを始め、パリの決勝以来、実に7つだか8つのタイトルを失う瞬間を見せ付けられるというのは、実に耐え難いこと。さらにその負け方がいずれも“衝撃的”でありましたから、ライカーバルサの印象度総合バランスは、喜び<<落胆となっています。
仮にマンチェスターを下し、モスクワへの切符を手にすれば、クレの傷も多少は癒されましょう。あるいは壮絶なる打ち合いの末、最後に赤い悪魔に息の根を止められたとしても、いくらかの慰めになるかもしれません。ビッグイヤーを獲れねば、いずれにしても失敗であるにせよ、です。しかし“負ける相手ではない”シャルケによってタイトルへの道を閉ざされたとなれば、ただでは済まない。ライカーのクビどころではないピンチが、バルサを待ち受けているのです。試合はスペクタクルとはかけ離れた内容になるでしょうが、その背景は痺れるほどにスペクタクル。この状況下で選手&テクニコがどのようなリアクションを見せてくれるのか、ポジティブに楽しませてもらうことといたしましょう。
ところでレオ・メッシですが、昨日早くもチーム合同練習に参加しています。一昨日はボールを使った練習が目撃されていたメッシですが、すぐさまチーム練習に戻ってくるとは、ちょっと驚きといいますか。彼の目標はもちろん、チャンピオンズのセミファイナル第1戦。焦りは禁物なので確実に治していってもらいたいところですが、もしこれに間に合うのであれば、これほど心強いことはありません。ちなみに今日のシャルケ戦でカードをもらえば次節出場停止となるのは、プジョル、ミリート、マルケス、トゥレの4人。いずれも守備の中心選手なので、全員が無傷で試合を終えることを祈ります。カウンターを喰らいまくらないようにしましょう。
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