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2007年3月30日

3-2:呆、怒、恥・・・。

 

テクニコの無力さが、かつてなく証明された試合。

ここ数年のバルサを見ていて、おそらくは一番腹の立つゲームでしょう。2点のリードを手にしておきながら、相手の作戦変更にまったく対応することが出来ず、ただただ押し寄せる波に飲み込まれてしまったFCバルセロナ。チーム事情が苦しいのは分かりますが、それを考慮しても余りある無策さによる敗北に、もはや怒りすら感じなくなってしまいそうです。自信を失っている守備陣はまたも崩壊し、それを食い止められないテクニコ。このチームはすでに“終わっている”と表現するのが、一番しっくりくるから実に悲しいかぎりです。“史上最強のバルサ”は、もはや空中分解寸前。解決の糸口は、このままでは見つかりそうにありません。

 

◇「監督として恥ずかしい結果」

「今回起こったことを、説明するのは非常に難しい。なぜ試合がこれほどまでに変化してしまったのか、ほとんど信じられへんよ。今夜は、私たち全員にとってとても厳しい夜となった。この敗北を、なんと説明していいのか私には分からない。説明不可能やね。ソシオにただ謝るだけや。」余裕をもって勝っていたはずのゲームが、終わってみればどういうわけか惨敗。後半になり自分のチームがなぜあれほどまでに心身ともに崩れてしまうのか、指揮官にもまったく理由が解らないというのですから、それはもう大変です。理由が分からないのでは、対策の施しようがないですから。そしてライカーさんは、こうも述べています。「監督として、この結果には恥ずかしさを感じる。」これらの言葉は、ライカー末期の語録として永くクレの心に刻まれることになるでしょう。

そして解らないなりに、監督は敗北の理由を探し出そうとしています。ミスターの分析はこうです。「前半の私たちはすべてにおいて相手を上回っていた。それが後半になり、状況はまったく別物となった。あれはバルセロナではなかったよ。私たちはすべてにおいて失敗を犯していた。相手が反撃してきた時、どうすべきかを私たちは完璧に知っているはずやったのにね。私たちが気を許したとは思ってないけど、ベティスの罠にあまりに簡単にかかりすぎたよ。」

 

◇動いたベティス、傍観のバルサ

バルサがどうして惨めすぎる負けを喫することになったのか、ライカーには見当がつかないのというのなら、まんまと作戦を的中させた敵将の説明を聞いてみましょう。チャパーロの言葉は、明らかにライカーのそれとは質が異なっています。「フットボルは時間、距離、スペースの三要素から成り立っている。もしこれらすべてを支配できないなら、落ち着いてプレーは出来へんのや。チームは置かれた状況にどうリアクションすべきか、よく分かっていたね。試合のカギは、いかにしてチャビとイニエスタを封じ込め、彼らにボールを触らせんようにするかにあった。後半はバルサに対し、前半に彼らが私たちにしたようにプレーが出来た。エドゥのゴールで試合は分からなくなったし、私たちは自分たちの可能性を信じ続けていたよ。超人的な努力により、私たちはこの勝利を手に入れたんや。」

良くなかった前半のプレーを振り返り、良くするにはどうしたらいいのかを考えて実行に移したベティス陣営と、「後半の相手の逆襲に気をつけろ」と言いながらも無策に終わったバルセロナ陣営と。チームがあっぷあっぷになっているにもかかわらず、監督はベンチで試合を平然(呆然)と見つめていたわけですから、勝てる試合も勝てません。ベティスペースになっても動かず、同点にされても動じず、逆転を許しても叫び、指示を出すこともない。最初の交代が過重負荷ぎみのボージャンだったのは仕方ないにしても、その後の決断の遅さは間違いなく致命的でした。どうにかしようとしても、時はすでに遅かったのです。

負けているのに、交代枠をすべて使い切らなかったのはライカーが、“これは選手を替えてもどうしようもない”と思ったからだと推測されます。それはたしかにそうだったでしょう。逆転されたあの段階では、打つ手はありませんでした。しかしもっと前なら、いくらか対策は立てられたはずです。遅くともエドゥに1点を返された時点で、ライカーは動かねばならなかったのです。試合の押さえどころが読めない指揮官。そしてサポートできないアシスタントたち。やるだけのことをやり、それでもベティスとの死闘に敗れたならともかく、無策の傍観によって敗れるのはさすがに、呆れて言葉もないです。そして負けた理由が「説明不能」・・・。

 

◇ライカーバルサ史上、最高に恥ずかしい試合

このベティス戦は昨年のコパでのヘタフェ戦と並び、ライカーバルサ時代最悪の恥かきゲームといえます。仮にもカンペオンを目指そうというチームが、あと少しで降格ゾーンの相手に0-2から逆転を許すなんて、もはや恥ずかしいとしか言いようがない。これまでにもアトレチコ戦やアルメリア戦など、いくつもの恥ずかしい試合をやってきた我らがライカーバルサでありますが、このベティス戦とその後の監督のコメントはその集大成と呼べるものであり、いくつかの気の毒な事情があるにせよ年俸分だけの働きを見せられない“なんちゃってスター”たちにも、そろそろ愛想が尽きてしまいそうです。選手とテクニコたちには、とりあえず全員丸刈りにでもしてほしい気分。こんな行き当たりばったりの、その場しのぎチーム、もうイヤだーーーーっ。

ここまでのシーズンを通して、フィジカルもメンタルも戦術もレベルに達せられない監督率いるテクニコを、もしこれでも信用できる人がいたとしたなら、その人は聖者の域に達しているでしょう。役員会がまだライカーを信頼できるとしたら、それはもう常人の理解の範疇を超えています。選手たちの出来はたしかに酷いですが、さらに酷いのは4月にもなろうとしているのに選手たちを酷いままにしている責任者たちです。監督、セクレタリオ・テクニコ、そして役員会や会長。このチームやスタッフがリーガを連覇し、ヨーロッパも制したのは事実ではありますが、確実に賞味期限はすぎてます。たとえポテンシャルがあったって、活かせなければ何の意味もない。さて、この敗北を受けてどう語る会長さん。チキはさっさとモウリーニョの元へ飛んでいったほうがいいんじゃないですか。

 

◇手遅れになる前に、決断を

ビジャレアルがきっちりと勝利を飾ったことにより、バルサはついに3位へと転落しました。その下とはまだ若干のクッションがあるとはいえ、ゆとりを感じている余裕はありません。このまま行けばさらなる破滅的結末も十分に考えられ、それを避けるためには早急なる“決断”も選択肢に入れるべきでしょう。クラブ史上最強メンバーと目されるチームが、ライカーの無作為によって沈没していく様を見続けるのは、痛ましすぎます。過去数ヶ月、「まだやってくれるはず」とチームを信じ、応援してきた世界中のファンの心に、昨夜のゲームは大きな傷を残しました。いったい勝てば転機となるゲームで、何回くだらないエラーによって自滅しているのか。チャンピオンズ・シャルケ戦を目前に控え、タイミングとしても最悪です。

しかしこの試合、ハーフタイムのロッカールームで何が起こったのでしょうか。前半を完全に支配し、リードも2点奪った試合なら、負けろといわれて負けるほうが難しそうです。しかし後半の15分間で、バルサはベティスに逆転を許しました。チャパーロ監督が休憩時間中、選手たちを叱咤激励し、とにかく全力で行けと命じたことは容易に想像がつきます。ではバルサ側は?あまりの自分たちの優位さをバルサは過信し、ベティスの反撃に注意せよという監督の言葉も心からのものではなく、選手たちも「勝った」と次のシャルケ戦を想像していたのではないでしょうか。そしてそれに選手交代の出来不出来が追い討ちをかけた。あとの会見で「ソシオの皆さん、ごめんなさい」と言うよりも、やるべきことはあったでしょう。

問題を先送りしているうちに問題は深刻さの度合いを増し、ロッカールームを炎上させている炎は、そろそろ役員室やパルコへと燃え広がろうとしています。バルセロニスタ、ソシオの怒りはもはや臨界点に近づいており、火山はもう噴火寸前。このまま何の手立てもとらずに奇跡を信じているとするならば、待っているのはほぼ確実なる大爆発でしょう。すでに遅い気はしますが、ここで決断を下せばまだなんとかなるかもしれない。マドリがアレですので、リーガをこれで捨てる必要はないんですが、明らかなのはバルサがこのままではどうにもならないということです。チャンピオンズの敗退を待っていては、遅いかもしれませんぞ。

 

 

 

 

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