トゥレ腰痛。
手術を拒否し、痛みとともに戦うことを選んだ岩男。
先日のビジャレアル戦、ファールでピッチに倒れこんだ際、腰周りを痛そうにしているトゥレ・ヤヤの姿がテレビカメラに何度も映し出されていました。彼はその1週間前のアトレチコ戦を腰痛を理由に欠場しており、復帰したセルティック戦、ビジャレアル戦もどうやら、痛みを感じながらも気合で出場を果たしていたようです。そんなヤヤが月曜、椎間板ヘルニアと診断され、炎症・痛み止めの注射治療を受けました。手術の選択肢もありましたが、この状況でチームを離れられないと拒否したトゥレ。感動的な決断ですが、決して無理はなさりませぬように。
◇多少痛んでも、休まない男
ビセンテ・カルデロンでのアトレチコ戦の召集メンバーからトゥレ・ヤヤの名前がなかった時、ファンやメディアは「なぜ?」と驚かされました。後にライカーの説明によって彼が背中から腰にかけて痛みを感じていることが明らかになるのですが、当時はさほど深刻なものとは認識されず、外した監督に疑問の声が投げかけられていました。しかしトゥレの腰痛はウソ偽りなどではなく、彼はこの数試合、常に痛みを感じながらプレーを行ってきていたのでした。ワタクシも今ちょうど腰痛に悩まされているので、トゥレの苦しさや頑張りのすごさはよく分かります。違和感が痛みとなり、それが激しさを増した場合、歩くのさえ困難になります。それでプレーするのですから、半端な根性ではありません。
アトレチコ戦を休んだトゥレですが、それで痛みは消えませんでした。しかし彼は続くセルティック戦に先発出場し、68分にエヂミルソンと交代でベンチに退いています。ここで思い切って休養をとっていれば、事態は少しはマシになっていたかもしれないのですが、頑張り屋さんのヤヤは仕事を休まない。彼は金曜の練習を途中早退しながらも、日曜のビジャレアル戦に先発しました。ですがやはり90分を戦い抜くことは出来ず、85分に痛みとともにジョバニと交代しています。
◇実は椎間板ヘルニアだった
そして月曜日の軽めのセッションのあと、トゥレ・ヤヤはさすがにこれはおかしいと感じたのか、かつてアンリの腰痛を治療した専門医、エンリク・カセレスに相談を持ちかけます。そしてドクターによる各種検査の結果、トゥレの腰痛がただの腰痛ではなく、椎間板ヘルニアによるものであることが判明したのです。ヘルニアは症状がひどくなった場合、身動きがとれずに安静が必要となります。それをふまえたうえで、トゥレに与えられた選択肢は二つ。さっさと手術をして早い回復を狙うか、とりあえずは注射によって痛みを抑えつつ、シーズン終了後に落ち着いて手術をするか。バルサは今とても厳しい状況にあり、離脱による戦力ダウンはチームにとって痛手となるだろう・・・そう考えたヤヤは、後者を選択することにしました。
昨日ヤヤは、注射による第一回目の物理治療を受けたそうです。これは患部周辺の炎症を抑えることで痛みを和らげる治療法で、ここ数日は経過観察によって反応を確かめる予定。もし反応が前向きなものであればそのまま治療を続けていくことになります(注射は最大で3回までの模様)。現時点での手術は拒否しているトゥレなので、この治療法が効果を発揮することを祈るしかありません。
注射によって痛みが軽減されたとしても、ヤヤに無理をさせるわけにはいきません。出るゲームは限定されますし、これまでのライカー・テクニコの選手起用経緯から判断しますと、おそらく優先されるのはバレンシアとのコパ準決勝、それにチャンピオンズ1/4ファイナルということになるでしょう。優先度の低そうなリーガは、エヂミルソンか回復しかけのマルケス、あるいはイニエスタで補っていくことになります。いずれにしても、ライカーはかなり苦しいやりくりを強いられることでしょう。どんどんと追い込まれていくミスターが、この試練を克服できますように。願いのよく叶う神社って、どこかにないですかね?
◇「この難しい状況で、手術は出来ない」
「今は手術なんてするわけにはいかへんよ。だってクラブとチームは、僕を必要としてるんやからね。たしかに痛みはあったけど、この厳しい状況ではチームを離れられへんかった。この件に関しては妻とも話をしたし、シーズンが終わってから、手術は行うことにしたんや。注射をした後は、背中に痛みは感じてないよ。明日になってみな分からへんけど、金曜日には練習に復帰しようとは思ってる。でもいつプレーするのかは、ドクターやミスターと話し合ってからのことやね。」
これは昨日、バルセロナ病院にてヘルニアの治療を受けた後のトゥレ・ヤヤのコメントです。多少の痛みより、自分の属するグループの利益を最優先する。チームのためなら、自分が多少の犠牲になっても厭わない。その彼のチーム精神には素直に感動しますし、バルサをそれだけ愛してくれているのかと、今まで以上にトゥレのことを応援したい気持ちにもなります。けれども無理をして走れなくなったりすると元も子もないですし、結果としてむしろチームにとってのダメージにならないとも限りません。頑張りすぎて限界が来てしまったメッシの例もありますし、ここは慎重に、まずはしっかりと痛みを消すことに専念してくださいませ。
しかしマルケスの件も含め、バルサ医療部の発表にはスッキリしないところがあります。今では骨浮腫だと認識されているマルケスですが、医療部から正確な情報提供がなかったように記憶していますし、メッシの筋肉疲労についても、アトレチコ戦後にライカーが「実は・・・」と明かしただけで、ドクターからの事前の説明はありませんでした。これはトゥレも同じ。なにか不透明で、遅くまで事情を公表しないのには疑問を感じます。それに結果論ですが、やはりメッシとトゥレはセルティックパークでカードをもらい、第2戦を休むべきでした。無理をする必要のない試合で無理をすると、ロクなことなんてない。今後はこの経験が活かされますように。
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