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2007年2月28日

1-1:またもチャビ!

 

後半ロスタイムの、希望をつなぐ同点弾。

このスポーツに判定勝ちがあれば、間違いなく勝っていたのに・・・とは時折フットボルで聞かれる言葉ではありますが、昨日のバレンシア戦はまさにそのような感じのゲームでした。予想通りに引きこもってくるバレンシアに対し、一方的に攻め続けたバルサ。しかし相手ポルテーロの大活躍に阻まれゴールは生まれず、逆に一発のカウンターから先制点を奪われるという展開に、クレは悶絶します。後半ロスタイムのチャビ弾によって敗北は免れたバルサではありましたが、その1つのゴールを奪うのに要したシュートは29本!ため息です。この結果は、確かにバルサ不利。とはいえメスタージャで挽回できる余地は十分にあり、このチームならきっとお返しをしてくれる、そんな印象を得られるゲームでした。

 

◇全力を出し合った両チーム

前評判どおり、今回のバレンシアは前回の対戦時から別のチームとなっていました。何をどうすればいいのかまったく分からない風だったオレンジコウモリはすでになく、クーマンの指示の下、自分たちの可能性を信じ、ひとつの目標に向かって団結して献身的にプレーするチームへと彼らは変貌していました。ひとことでいうなら、“頑張り屋さん”なチームです。今回のクーマンの作戦は、ボールは放棄してもいいから守り抜き、カウンターで一撃を加えるというものです。実際にプレーしていて楽しくはなく、非常に疲れる戦術でしょうが、それでも彼らは努力を惜しまず実行し、最低限の目標を達成しています。やり方に好みはあるとして、アッパレといえるでしょう。

一方でバルサですが、こちらもなかなかでした。引いて守るバレンシアを相手に幾度となくチャンスを作り出し、ゴール直前まで到達したこと数知れず。ヒルデブランドの狂い咲きパラドン連発にも挫けず、天敵ビジャに先制点を奪われてもめげず、最後までゴールを目指して攻め続けた姿勢こそ、この試合の評価ポイントです。この試合は残念ながら運に恵まれませんでしたが、この方向性でプレーしていけるのなら、そう心配は要りません。終了間際にゴールを奪えるのは強い精神力を持っている証であり、チームに自信が根付いている証拠です。きっとこのバルサなら、最後にクレに喜びを与えてくれるはず。サイドをもっと上手く使うこと、選手交代などの際に生まれる隙をなくしていくことが、この試合での学習点です。

試合経過、データ等はこちらのページ参照

 

◇ライカー、決勝進出へ自信

「私たちが決勝へと駒を進めるであろうことに、十分な自信を持ってる。それは事実やね。今日は実に興味深い試合やった。なぜならエンパテは悪い結果といえるものなんやけど、私は最後までタオルを投げずに戦うことを止めんかった選手たちを、祝福する必要があるからや。最後の瞬間まで、チームは結果を求めて戦った。私たちが勝てへんかったのは事実ではあるけど、それでも私たちは負けたわけやない。私は選手たちの素晴らしい仕事を特に強調したいと思う。私たちは不幸にも先制されたことによって時間との戦いとなったけど、一方で幸運にも引き分けることができ、勝負を振り出しに戻せた。試合の展開を考えれば、この結果は順当なものといえるんやないかな」

これがバレンシア戦後の、フランク・ライカーの言葉です。大満足のいく結果ではないにせよ、選手たちの仕事っぷりには大満足。今回のようなプレーを続けていければ必ずチャンスはあるし、最後に笑っていられる可能性は十分にあるだろうというのが監督の感じているところであり、バルセロニスタ全般においても、同じような印象をこのゲームから得ているのではないでしょうか。今回はクーマン・バレンシアの作戦が上手くいったところが多いですが、次もそうとは限らない。要するにメスタージャで勝てば文句なく決勝進出なのですから、希望と自信を持って第2戦に臨めばいいだけのことです。

またライカーは、ゴールこそなかったもののバレンシア守備陣を翻弄したリオネル・メッシのプレーを賞賛してますので、紹介しておきましょう。ミスターは言います。「メッシは得点はなかったけど、そのプレーで違いを見せ付けていたよ。そやから私は、彼に励ましの言葉を送りたいね。彼はまたすぐゴールを決めるようになるよ、間違いない。彼には素晴らしい才能がある。あとはもっと試合や練習で経験を積んでいくだけやね。彼はフットボル界の偉大なるスターの一人。すべての試合で今回と同じアグレッシブさを保っていけばいい。」

 

◇次へつながる、チャビのゴール

本当ならばカンプノウで勝負をつけてしまいたかったところですが、相手のいるスポーツ、あるいは人生において、すべての希望が達成されるわけではありません。常勝なんてのはいわば幻想でもあり、それぞれの結果と折り合いをつけながら、最良の道を歩もうとしていくだけのことです。ゆえに最後まで希望を捨てずに戦い、その結果として何分の一かでも努力が報われたことが、もっとも重要。“聖人”と化しつつあるチャビのゴールによって第2戦へ望みがつながり、最近の勢いを持続できたことに自信を持っていればいいのです。昨日は運悪く、ヒルデブランドが大当たりの日となってしまっただけ。メスタージャではまた違うシナリオが待っていますし、それはきっとライカー・バルサにとって良いストーリーとなるでしょう。勝利の味がするとまではいきませんが、それなりにいい感触のあったエンパテ、でありました。

先週末のレバンテ戦でのゴレアーダ、あれがひょっとしてバレンシアの警戒心をさらに強力なものにしてしまったのかもしれません。彼らはいわゆるフットボルを放棄し、自ゴールを守り通すことにほぼ全てを捧げました。開始8分の波状攻撃が決まっていれば話は違っていたのですが、あれがこの試合を象徴していたような気がします。打っても打っても、入らない。シーズンに何度かあるそんな試合が「よりにもよってここなのか」と、うな垂れかけたバルセロニスタ。しかしそんな落胆ムードを一掃してくれたのが、またもやチャビだったというのは、なんともはや言葉もないといいますか。このところのヤツはまさに救世主。このまま、シーズンを通しての救世主になりそうな予感です。

さてメスタージャでの第2戦では、バレンシアはどう出てくるでしょうか。0-0のエンパテを狙ってくれば、それは彼らにとって大きな過ちとなるでしょう。フエラが苦手なバルサではありますが、メスタージャは何故か相性が悪くない。またもガチガチに守りにくるなら、次はその守りは決壊するのではないでしょうか。そして勝利を確実なものとするために前に出てきたなら、バルサにもチャンスはあります。どっちにせよ、勝敗は両チームにとって非常にオープンです。バルサはとにかく、ひとつでも多くのゴールを突き刺すことを念頭においてピッチに出て行くこと。姿勢さえ忘れなければ、いい結果が待っていることでしょう。でもその前に、まずは土曜日のビセンテ・カルデロン攻略が待ってます。ここで勝てたら、ますます強さと勢いは本物です。

 

 

 

 

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