5-1:最高の週末。
このままの勢いで、逆転優勝へ突き進もう!
波に乗っているチームはシュートでもないボールが得点となり、落ち目のチームは有り得ない珍プレーによって無残に敗れる。フットボルの世界はなんとも恐ろしいもので、ほんの数週間前には想像もつかなかった事態が、今リーガでは起こっています。バルサが順当にレバンテを下し、マドリがベルナベウにて撃沈。これにて9ポイントあった両チームの差は2ポイントにまで縮まり、その勢いには歴然とした違いが出てきました。この調子でいけば、終盤はおろか、近いうちでの逆転すらあり得そうな雰囲気。次に控えるアトレティコ、ビジャレアルとの決戦を制することになれば、俄然その希望も現実味を帯びてくるでしょう。
◇メレンゲ、自滅への序曲・・・?
おバカなエラーを犯すことによって試合を失い、そのままタイトルも失ってしまう。昨年バルサがリーガを落としたのは、終盤の大事な試合(ベティス戦、エスパニョール戦)にて懲りもせず終了間際に同点にされてしまったからであり、国王杯を落としたのは1/2ファイナル第1戦での圧倒的リードを過信したからでありました。集中力の欠如による、初歩的で子供っぽいエラーによって敗れるというのは後に尾を引くもので、今のマドリはまさにそういう状況にハマりつつあると言えるでしょう。ベルナベウでのヘタフェ戦、白組は自らのゴールがオフサイドで無効となっているのを知らずに喜び、祝福を楽しんでいる隙にカウンターを食らって失点するという、稀に見る珍プレーによって敗れました。敵ながら、「なにやってんだか」の一言。
コパをにらんでローテーションを採用しつつ、上手くいかない時間帯がありながらも、最後はきっちりと集中を取り戻してゴレアーダに持っていったバルサと、このところの悪い流れを地元でも止められなかったマドリと。1年以上負けていなかったベルナベウで、珍妙なゴールによってヘタフェに0-1で敗れたことは、フエラで連敗したのとはまた違った意味の衝撃があります。昨年のバルサは結局、初歩的エラーによるポイント取りこぼしのダメージから抜け出すことができず、待っていたのは巨大な失望でした。さて、今後のマドリがリアクションを示せるかどうか、注目させていただきましょう。まだ早い時期での失態が、幸いするかどうか。無論、このまま立ち直れないのがクレにとっての理想のシナリオです。
◇ライカー「チームが成長していくことが重要」
いずれにせよクレにとって重要なのは、白組が勝手にリーガを盛り上げてくれていることより、我らがバルサがいかに力強く勝利をもぎ取り、ここまでのダメップリを挽回していってくれるかです。犬も歩けば当たっていた怪我人たちの大半はすでに回復し、コパ・アフリカも終了し、不調を極めていた選手たちも徐々にリズムを上げてきている今日この頃。“結果だけは出ていた”ところに内容も付いてくるようになり、2月中盤以降のバルセロニスモは非常にいいムードに包まれています。昨日の会見場に現れたフランク・ライカーも、当然選手たちのプレーに満足げにこう語っています。
「ええ結果やね。これにより、私たちはまた一歩、目標とするところへ近づけたといってもええやろう。そやから選手たちの仕事内容を祝福してやらなあかんね。このレバンテ戦では、私がいつも口にしていた課題である、チャンスを作り、それを活かすということが出来ていた。それにエトーは重要な3ゴールを決めてくれたね。しかしチーム全体が仕事を果たしたことが大事であり、ポジティブなことなんや。チームは今勢いがあり、ピッチでいいイメージも残してる。このチームを信じてもらいたい」
選手個々に関しては、ミリートとプジョルらを先発させたのは「試合に重要性を持たせるため」だったと説明。またシーズン自己記録となる5点目をあげた好調チャビについては「正しいタイミングでいい場所にいるよ。今はずいぶんいい精神状態にあるようやしね。彼がいることでチームは安心できる」と賛辞を送っています。そして重要なのは、ここにきて戦力がようやく整ってきたことです。ライカーは言います。「チームとして私たちが成長し、すべてのラインが強さを増していることが大事なんや。」まさかこのライカー・バルサが、本当にここまで挽回しようとは。あと2週間経っても同じように勢いを持続できていたなあ、監督の言うとおりチームを信頼してみましょうかね。
◇エトーの復帰、戻ってきた流動性
バルサのゴレアーダは予想はつきましたが、期待してなかったマドリの負け、それもギャグっぽい失態により、今週末はバルセロニスタにとって最高の週末となりました。これ以上に完璧な結果など、望むことなどできないほどに最高の週末です。1ヶ月前のビルバオ戦で首位との差が9にまで広がった時には、危うく終戦宣言を出しかけたのがウソのような追い上げ劇。2ポイント差となれば、もはや他力本願に星空に望みを託す必要はありません。リーガは再びバルサの手の届く範囲に戻り、クレの大半はすでに逆転を信じていることでしょう。後半戦に弱いのは、シュスター率いるチームの特徴です。マドリの監督となっても、それは変わらないでほしいところ。ポイントではまだ白組がリードをしていますが、雰囲気はすでに入れ替えが終了しています。常勝(上昇)ムードに包まれているのは、かつてマドリ会長が「奇跡は起こらない」といったバルサなのです。
レバンテ戦では改めて、エトーの存在がチームを変えることを証明されました。ハットトリックはおまけのようなもので、大事なのは彼がいることで展開にスピード感が出て、巧みなマーク外しによってスペースが生まれることです。アンリが悪いわけじゃないですが、エトーが入るとバルサは違う。彼が醸し出す“やる気オーラ”がチームに伝染するかのように、バルサはエネルギッシュになるのです。そしてエトーが前線で動き回ってくれることで、恩恵を被るのがロナウジーニョとメッシ。このトリデンテが目を輝かせてプレーすれば、止められるチームなどそうはありません。
ライカーがどう指示したのかは分かりませんが、最近のバルサはよく走れるようになりました。選手が動くから、ボールも速く動くようになる。速くパスを展開できればマークもずれますし、自ずと決定機の数は増えます。そして決定度のレベルも上昇するのです。ライバルたちを震え上がらせた、“機械仕掛けのバルサ”復活も可能性はあるでしょう。ピッチを歩き、ボールの行方をただ眺め、足元でばかりパスを受けていたバルサは、姿を消しつつあります。個人技の中央突破ばかり見せられていた時はクレも苛立ちましたが、ここ2試合はサイドも使えていい感じ。これからも是非この調子で、流動性を高めていってくださいませ。それにしてもエトー、すごいな。
|