セスク再び。
アーセナルとの交渉を保留した彼に、集まる熱視線。
チーム状態が思わしくないとき、鬱積するファンのフラストレーションを少しでも減少させるため、クラブやメディアがよく用いる手法が“視線を明るい未来に向けさせよう作戦”です。要するに、来季は○×が入団しますよとの話を振りまき、期待感で暗い気持ちを明るくさせる手法。本日のカタランメディアはムンド紙がディエゴ、スポルト紙がセスクを一面に取り上げており、特に熱いのはアーセナルとの交渉を保留したセスクの話題。その他プチ情報とあわせ、さくっと紹介します。
◇FIFA17条の対象選手となるか
ここ最近フットボル界をなにかと騒がせている“FIFA17条”。「28歳未満に所属クラブと契約を交わした選手は3年を経過すれば、一方的にその契約を解除できる。28歳以上であれば、同2年で可能」、「ただし解除には違約金の支払いが義務付けられる(かなり格安)」という、非常に選手側にとって有利なルールなのですが、FCバルセロナはロナウジーニョにこの適用が考えられる反面、選手獲得に関しては逆に役立つ可能性もあります。今回この“法”の適用対象として急きょ表舞台に上がってきたのは、アーセナルのセスク・ファグレガス。元バルサカンテラーノはアーセナルとの契約延長を保留し、バルサからのコールを待っているというのです。
この手の問題は各国リーグの規定にもいろいろと影響を受けるのでややこしいのですが、プレミアのクラブに致命的ともいえる打撃を与えているのが、昨年下された“ウェブスター判決”だそうです。FIFA17条をもとに下されたこの判決によって、プレミアは従来の規約では選手の縛り付けが不可能となり、条件を満たした選手は格安の違約金によって移籍が可能に。各クラブはクラックとの契約延長を急ぐようになり(マンチェスターはクリスティアノと延長に成功)、アーセナルも柱であるセスクとの交渉開始を要求したのですが、カタラン人セントロカンピスタはシーズン終了まで話し合うつもりはないとクラブに告げたそうです。
◇バルサがどう動き、セスクはどう考える
なんでもセスクの場合、700万ユーロをアーセナルに支払うことによって、契約を解除できることになります。彼がクラブとの交渉をとりあえず断ったのは、“今は契約うんぬんより、フットボルに集中してタイトルを目指したい”との思いによるところなのでしょう。しかしメディアはそうは取ってくれませんから、“バルサからのオファー待ち状態”となるわけです。バルサとしても今はまだオファーをかけるタイミングでもありませんので、しばらくは様子見でいくはず。しかし350万ユーロといわれる現在の年俸を用意するのはやぶさかではないでしょうし、なんならもっと払ってもいいよ、くらいのつもりではいると思われます。いずれにしてもチャンスは巡ってきたわけですし、この先の展開がどうなるかはバルサ次第のところが大きいでしょう。
セスクが最終的に今回アーセナルとの契約を延長するならば、次にウェブスター判決を活用する条件が整うのは3年後。それはそれで構わないのですが、セスクとしてきっと鬱陶しくなるであろうのは、2010年夏にバルサ会長選挙が控えているということです。おととしの夏、セスクはマドリ会長選挙の際に各会長候補の“爆弾”として用いられ、非常に不快な思いをしました。2年後の選挙では確実に同じ騒ぎが待っていますし、そういう形で愛するバルサには戻りたくもないでしょう。自分を成長させてくれたアーセナルにタイトル獲得で恩を返し、心のクラブであるバルサにさらっと復帰する。この夏はそのひとつのチャンスであるわけで、選択肢として悪くはないはずです。
高額の移籍金を支払い、“悪しき前例”を作ったセスクを呼び戻すのは抵抗があると考えるクレ諸氏も、700万ユーロの“補償金”であれば受け入れられそうな気もします。どっちにせよ、しばらくはこのセスク話がメディアの格好の話題となるのは間違いなさそうです。そしてクラブとしては堪ったものではない、ウェブスター判決。
その他プチ情報集
◇エトー、サラゴサ戦は回避の方向で
ガーナでのコパ・アフリカ決勝で左太ももにダメージを受けてしまったサムエル・エトーは今日、バルセロナ・プラット空港へと到着する予定です。その後すぐにカンプノウへと向かい、精密検査によって怪我の詳細が明らかにされることとなります。決勝戦をスタンドで見守ったチキ・ベギリスタイン(一足先に帰国)によりますと、エトーは筋肉がひきつっているだけで、断裂はなさそうとのこと。だからといって楽観は出来ませんが、どちらにせよ、用心のためにサラゴサ戦は欠場の見込みが高いのは間違いないでしょう。
またラ・ロマレダは、エトーにとって最悪に宜しくない思い出の詰まったスタジアムでもあります。あそこでは常に人種差別的な野次を受け、2年前にはそれに嫌気が差し、ピッチを去ろうとした事件もありました。たしかに重要な一戦でサムが使えないのは痛いですが、無理をして出ることはありません。セルティック戦に万全のフォームで出てもらえる方が、チームにとってもありがたいです。
◇トゥレ・ヤヤ「ドログバと話した」
コパ・アフリカ関連では、コートジボワール代表として(惜しくも)4位となり、大会ベストイレブンにも選ばれたトゥレ・ヤヤが昨日、バルセロナへと帰ってきました。そして帰国第一声で「徹夜の移動やらでちょっと疲れてはいるけど、疲れはとれると思う。早くチームに戻って練習したいね。やる気はめちゃんこあるよ」と、少しでも早く不在で迷惑をかけたチームに貢献したいと意気込みを披露。一方で来季の行方が注目される母国でのチームメイト、ドログバに関し、次のようなことを明らかにしています。
「僕らはバルセロナのことを話したよ。ディディエは僕らの国にとってすごく重要な選手やけど、同時にかなりの獲得資金が必要になるよね。彼はバルサでプレーをしたがってた。だってバルサはとてもええチームやし、ええ選手が揃っているからね。彼は僕と一緒にプレーをしたいと言ってたよ。でも同時にチームにはエトーにアンリ、メッシもいるから、移籍は難しいやろうとも言ってたね」
◇フィジカル向上が、今後のカギ
スポルト紙によりますと、チーム・ライカーは今週トレーニングのやり方を少々変更し、山へその場を移すことにしたそうです。今週は平日に代表戦もクラブとしての試合もなく、練習にしっかりと時間が取れます。それでは、とテクニコたちはドリームチームがよく練習に用いたという“エル・モンターニャ”のグラウンドで汗を流すことを決断しました。チームは朝集合してバルセロナ市北郊外に位置するセバへと出発。そしてトレーニング終了後にはホテル・エル・モンターニャにて昼食をとり、バルセロナへと戻ってくるスケジュールです。ただしこれは明日だけで、木曜日は11時からラ・マシアでの通常練習。金曜日はサラゴサ戦前日なのでカンプノウにて非公開練習が行われる予定となっています。
また、バルサには今後厳しくも重要な試合が待っていますので、それに対応できるよう、今週の練習はいつもよりハードな内容となるそうです。土曜にはリーガが“絶望”となりかねないサラゴサ戦、来週水曜にはグラスゴーでのセルティック戦、そしてさらに翌週にはコパ準決勝のバレンシア戦。これから2月終盤にかけ、バルサにはタイトル争いを大きく左右する試合たちが控えています。よって耐久力とスピードを上げる訓練を施すのは必須であり、この過激な2週間を乗り切れるフィジカルを用意できるかどうかが、今後の勝敗の分かれ道です。
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