1-1:まずまず。
まずは最初の試練を生き残った。
上り調子のセビージャを相手に、敵地サンチェス・ピスファンで1-1のドロー。主力の多くを欠くFCバルセロナにとって、この結果はまずまずのものといえます。次週カンプノウにて控える第2戦で、勝てば文句なく1/4ファイナルへの進出が決定。活躍が期待されたティティ・アンリの動きが活発で、値千金のゴールを奪ったこともまた、明るい材料です。チームとしてのコンディションは、少しずつながら上昇傾向にある模様。一歩ずつ着実に階段を昇っていけば、そのうちチャンスも巡ってくるでしょう。全員で闘うチームとなっていけば、確実に結果はついてくるはずです。
◇勝つことも出来た、とライカー
昨夜のゲームはバルサとセビージャの両チームにとって、非常にタフな戦いとなりました。セビージャ得意の過激プレスにバルサ選手たちは負けることなく、最後まで集中を切らすことなく戦い抜いた。前半終了間際、危ない時間帯での一瞬の油断を突かれ同点にされたことはとても残念なことではありますが、試合全般を通じてみれば、1-1のエンパテはまあ打倒で納得のいくところ。しかし勝てるチャンスもあったことから、試合後の会見室に現れたライカーは若干不満げに、次のようにゲームを振り返っています。もう少しちゃんとやっていれば、勝利は手に入ったのにというのが監督の見解です。
「追加点を奪い、セビージャにダメージを与えるためのボール奪取が、私たちには不足していたよ。多くの時間を引いて守りすぎたし、それによって相手に組織を立って圧力をかける時間を与えてしまった。その点、セビージャは上手くやったね。0-1になった後も、私たちはそれまでと同じようにエリアに向かっていかなあかんかったんや。しかしセビージャの頑張りにより、私たちは苦しむことになった。」
そしてライカーは、一部選手のコンディションが万全でなかったことが、苦戦となった一員であるとも述べています。「正直なところ、頑張ってはいたものの、3人の選手にいつもの強さがなかったと思う。彼らの状態が良くなればチーム状態も良くなるし、私たちはもっと速く、効果的にプレーできるようになるやろう。」もちろん、選手を責めることが監督の仕事ではないので、その選手の名前は明らかにはされていません。
◇戦う気持ちと、アンリの復調
「自分たちは特に後半、バルサにプレーをさせてなかったし、試合をコントロールしていた。それゆえにバルセロナに負けた気分だ」とセビージャ監督マノロ・ヒメネスが悔しがっているように、昨日のゲームはバルサにとって耐えるゲームでした。しかしこれまでと違ってきているのは、選手たちがただ成す術なく防戦するのではなく、熱いハートを燃やしながらセビージャの攻撃を受け止めていたことです。結果がどうなろうとも、最初に求められるのは勝利を目指して戦う気持ち。少なくとも後半になって最終到達目標が見えてくるまでの間は、なにくそ根性で戦わなければ、結果など付いてはきません。昨日のバルサは、前半は非常に勇敢に、アグレッシブにプレーしました。マジョルカ戦の前半は最低クラスの出来でしたが、それとはまた別のバルサです。
おそらくバルサの選手たちは、遮二無二プレーしてマジョルカに勝利したことにより、少しずつ自信を取り戻してきているのでしょう。プレーの質が劇的に向上することに甘い夢はもてませんが、とりあえずは試合に臨む姿勢は改善されてきてます。今後もこの気持ちを忘れずにいけるのであれば、ムルシア、ラシンと続くリーガでは連勝は可能でしょうし、来週のカンプノウでのセビージャとの再戦もまた、ポジティブな結果を残せることと思います。
そして昨日のゲームでのクレへの最良のニュースは、ティエリ・アンリの復調がいよいよ本物でありそうだということです。貴重な先制弾を決めたアンリは、前にスペースさえあれば、彼は存分に輝きを放てることを証明しています。チームが苦しいときに違いを見せ、大きな仕事を果たすのがクラック。エトーがアフリカへ一時離脱するこの時期にきてアンリが復調してきた。そのことがもっとも重要であり、フォームを上げたティティがいればおそらく、エトー不在をバルセロニスタが嘆くということもないでしょう。シーズン開幕以来4ヶ月間、アンリはモヤッとした気持ちを抱えて過ごしてきたはず。今こそそのフラストレーションを晴らす時であり、ティティが爆発することすなわち、クレの笑顔も爆発することです。この調子でいってくれ、アンリっ!
◇最悪の状態は脱してきている
さてさて、とりあえずはマジョルカにて3ポイントを確保し、セビージャにて引き分けを持ち帰れたことによって、カンプノウ周辺に渦巻いていたクライシスムードは払拭することは出来ました。これらの二試合でもし酷い結果しか残せていなければ、フランク・ライカーのバルサ生活は限りなく終焉に近づいていたことでしょう。バレーやテニスで言うならば、マッチポイントに追い詰められたような状態です。しかし監督はこのダブルのマッチポイントをくぐり抜け、どうにかセットを自分のものにすることが出来ました。まだ苦しい戦いが続くことに変わりはないですが、目前の窮地は乗り越えつつあるといえます。より窮地に立たされているのは、その不在がまったく寂しいと思われることのなかったロナウジーニョであり、デコでしょう。
この二人のクラックたちには是非とも頑張って再起してもらうとして、クラシコで傷を負ったバルサが、なんとか今後につなげられそうな形を見出してきたのは明るい話。特にセビージャ戦の前半、相手を恐れずに積極的に前に出て行き、優勢に試合を進められたことは、次以降のフエラ戦での大きな指標となるでしょう。また、後半は相手に押し込まれながらも、集中を切らすことなくフィジカルバトルを戦い抜き、耐え切れたのも(バルサらしからぬとはいえ)ポジティブに捉えることは可能です。これまでであれば、相手に押し切られちゃっていたでしょうから。エトーが求めていたような、全員で走って汗をかき、結果をもぎ取るチーム。そういう集団に、このバルサはなってきています。
とはいえ実際のところ、ライカー・バルサがまだ「強い!」などといえる状態には程遠いわけです。選手たちに本当の自信は植え付けられていません。しかし確実に突破口は開きつつあるので、イマイチならイマイチなりに、全力で戦っていってもらいましょう。そういうチームであれば、応援する甲斐もあるというものです。ポイントを積み重ねていれば、マドリーだっていつかは調子を落とすときもある。その時にいつでもチャンスを活かせる準備が整っていることが重要であり、それまでは着実に一歩ずつ進んでいけばいいのです。ムルシアとラシンに連勝し、セビージャを攻略してコパの1/4ファイナルへいければ、いい風は吹いてくることでしょう。アニモ!
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