トーレ・ヤヤ。
“ビエラ2世”のバルサ入団が正式決定。
一昨日のティエリー・アンリに引き続き、昨日もまた、FCバルセロナの07/08シーズン新加入選手のプレゼンテーションが行われています。昨日の主役は、“岩石男”ことトーレ・ヤヤ。月曜日まではヤヤ・トーレと呼ばれていた彼ですが、バルサ入団を機に“改名”しています。プレゼンテーションではチキSDがこの獲得に自信を覗かせており、曰く「ビエラに匹敵する素質の持ち主」。果たしてチキの読みどおり、トーレは世界最高のセントロカンピスタになれるのか。契約期間は4年、違約金は9000万ユーロという高めの設定となっています。「ビエラは尊敬してるけど、僕だっていい選手。期待に応えたいね」と自信を見せるトーレさん、その言葉を信じさせてもらいます!
◇「今日から、トーレ・ヤヤと呼んで」
前日まで“ヤヤ・トーレ”として名を知られていた男は昨日、メディア向けの公式プレゼンテーションの会場にて、「今日からはトーレ・ヤヤと呼んでください」と発表し、周囲を驚かせています。コートジボワールでは日本のように苗字を先に名乗るのかどうか、そのあたりはよく分からないのですが、“改名”の理由を問われたトーレは次のように説明をしています。「モナコにいるときから、シャツの名前はトーレ・ヤヤにしたかったんや。でもそれは叶わなかった。それで今はバルサに来たわけやし、ようやく変更が可能になったよ。名前を入れ替えたらっていうのは、妻のアドバイス。彼女はいつも、僕の決断をサポートしてくれてるんや」。むむむ・・・なるほど。そういえば妻のジェニーさんはプラット空港の写真にも写っていたし、この会見場にも代理人の隣りでヤヤの姿を見守っていた模様。なにかと重要な役割を担っているお人のようです。
また、彼の背番号は“17”に決定したのですが、この番号はバルサにとってはあまり“縁起のいい”ものではありません。その前任者はマルク・バンボメルであり、残念なことに彼は望んでいたような活躍をバルサではすることなく、昨シーズンにバイエルンへと去っていきました。その前の04/05は、ラルソンが1試合だけ使用しただけで空き番号に。サビオラのモナコレンタルにより、ラルソンは7番に変更になったからです。そして彼の前は、ボハルデ(98/00)、ペティ(00/01)、クリスタンバル(01/02)、メンディエタ(02/03)と“そうそうたる”面々が使用したこの番号。アンリが選んだ14番と同じく、近年のバルサで17をつけて大活躍した選手はいない。そのジンクスを、アフリカの岩男が事もなげに破ってくれることを切に願います。
◇メディカルテスト、無問題!
さてこのトーレ・ヤヤですが、もちろんのことながら、契約書正式サイン前のメディカル・チェックは一切の問題なくクリアしています。今回の各種検査で分かったことは、ヤヤがドクターも舌を巻くほどの恵まれたフィジカルを持っていたという、ある意味テストする前から想像はついていた事実でした。トップチーム第一ドクターであるリカルド・プルーナはチェック終了後、次のような感想を述べています。「言うべきことは何もありません。彼は、怪我から敬われるタイプのフットボル選手です。非常に頑強で、非常に高い成果を挙げてくれることでしょう。彼は6年前に半月板を痛めていますが、筋肉にも関節にも、なんら後遺症は検知されず、非常によく回復しています。全く心配ないといっていいでしょう。彼は今、最高の状態にあります」。
生まれついてフィジカルに恵まれている選手というのはたまにいますが、このトーレはまさにそういうタイプの選手。昨日の各種テストでも非常に高い数値を示し、一般的なトップレベルの選手よりもさらにハードなプレーに耐えうるだけの資質を持っていることが証明されたのです。ヤヤがバルサで任されることになるのは、中盤の底、ピボッテのポジション。チームの好守の起点として、かなりの運動量が必要とされるポジションであり、彼のようなオーバーラップ派であれば尚更のことでしょう。しかし毎試合ハードに走り回ろうとも、それを屁とも思わない体力があるというのは心強い。これまでのバルサにはいなかったタイプのピボッテですから、今から新シーズンが楽しみでなりません。
◇「この挑戦に、すべてを捧げる」
その後の公式プレゼンにて、バルサに入団できた喜びを「ここでプレーするって事は、僕にとってとんでもないことって気がするね。バルサはクラブ以上のクラブやし、その一員になれるっていうのは、夢が現実になったとしか言いようがないよ。今日は僕にとって、素晴らしい日。クラブのために、全力を尽くしていきたい」とトーレ・ヤヤは表現しました。同席したラポルタは彼のことを「素晴らしいフィジカルとテクニックがあり、バルサの選手となるあらゆる条件を満たしている」と評し、チキは「中盤の中心となってくれるやろう。当たりの強さ、キープ力、パワーといったところから、ビエラに比較できる選手。ただ、パス出しでは彼のほうが才能があると思う」とまで語っています。
あのビエラよりもポテンシャルがある、とはなんともすごい高評価。この最大級の賛辞に対し、トーレは次のようにコメントしています。「ビエラはとてつもない選手。彼が築いてきたキャリアに対し、僕は最高の敬意を持ってるよ。彼にはすごい才能がある。でも、僕にもそれはあると思う。そのことはピッチで証明するしかないと分かってるし、期待に是非応えたいね。バルセロナでプレーする準備は整ってる」。実にサラッと語ってはいるのですが、並々ならぬ自信も感じます。「ピボッテはやり易いし、チームへの順応に問題が出るとも思わない」と述べるこの男、メンタル面でもタフさを持ち合わせているのなら、かなり面白い存在になりそうです。
そしてバルサ移籍を決断した理由は「バルセロナのフットボル文化が好きで、スタジアムが好きで、ファンやプレースタイルが好きやったから。僕は間違いなく、世界最高のクラブにいると思う」と語り、これからのバルサ生活を「正真正銘の挑戦やし、成功で終わってほしい」と述べるアフリカーノ。「僕を信頼してくれたクラブが大きな喜びを得られるように、僕のすべてを捧げていきたい」というその言葉を、ファンは信じさせていただきます。ちなみにその後のカンプノウでのファン向けプレゼンテーションには、およそ1,500人のクレが集まりました。1日前の3万人の熱狂には比べるべくもないですが、いずれもっとビッグな選手になればいいだけのこと。ムーチャ・スエルテ、ヤヤ!
その他プチ情報
◇チブ作戦、決着間近?
ローマのスポーツディレクターであるダニエレ・プラーデが昨日の午後、バルセロナ入りしました。その後、ローマからの他のスタッフも合流し、市内の某有名レストランにてチキ・ベギリスタイン、フェラン・ソリアーノらと会食。目的はクリスティアン・チブの移籍交渉に他なりません。そこではおそらくローマ側によって「インテルは1800万ユーロのオファーをくれてるんですけどねぇ・・・」というようなプレッシャーが掛けられたことでしょう。チブ側はインテルの申し出におよそ満足しているようなのですが、それが決定しないのは出来れば直接のライバルに大事な選手を渡したくないというローマの事情です。
ローマからの使者が訪れたことで、オペレーション・チブはおそらくはこの1日か2日中には結果が出るはず。どちらかが譲歩するのか、あるいは交渉決裂となるのか。なんとなくこのチブ獲得作戦には“ダミー”の匂いが漂っていて、バルサ側の本当の狙いは水面下で例えばアンドラーデを獲ることではないのか、というような気もします。チブがそれなりの値段で獲れれば“儲けモノ”だけれども、さほど必死でもないというか。いずれにせよ、事のてん末を楽しみに待たせてもらうことにしましょう。
◇アビダル、バルセロナ入り
もうひとりの優先獲得希望選手とウワサされるリヨンのエリック・アビダルですが、彼もまた昨日の午後、ひっそりとバルセロナ入りをしています。ただし彼の訪問は交渉ではなく、バケーション。妻と共に芸術の都で数日間を過ごすためなのですが、あえてこの時期にバルセロナを選ぶということは、きっとバルサに暗黙のプレッシャーをかける意図も含まれているのでしょう。さもなくば、かなりの“天然”モノです。そもそもアビダルとバルサは移籍に関して合意に至っており、いまさら特に話し合うこともない。リヨンのプレシーズンは7月2日からスタートするようなので、それまでに交渉を進めてもらいたいというのが、アビダルの願いなのでしょう。
この2年、金満チェルスキーとメレンゲを相手に大儲けをしてきたリヨンのミチェル・オーラス会長は、節約家のバルサに対しても強気の条件を提示し(2000万ユーロ)、値下げに応じようとはしていません。バルサのオファーは、当初の900万からはアップしたものの、依然1200万ユーロのまま。最終的にはもう少し上げる気はあるのでしょうが、まずはリヨン側の譲歩を引き出したいようです。このままなんの進展もないようですと、アビダルはリヨンの新シーズン・プレゼンテーションに参加しないなど、強硬手段に出る可能性も。こちらも、この一週間で話が大きく展開することになりそうです。
◇ジュリ、ジオ、モッタ
最後は、買うよりもずっと難しい、売る立場としてのお話。来る選手があれば、去る選手もある、というわけで、チキ・ベギリスタインには戦力外と判断した選手に、出来るだけ幸せな形で他のクラブへと移ってもらうという困難な仕事が与えられています。これらに関してもいくつかウワサは流れているのですが、まず最初に移籍が決まりそうなのが、フェイエノールにOKを出したといわれるジョバンニ・バン・ブロンホルストです。なんでもジオの契約書には、期間や金銭面でバルサを上回るオファーが来た場合、自由移籍としてバルサを去れるという条項が入っているのだとか。事実かどうかは分かりませんが、ジオが母国へ帰るというのはまず間違いなさそうです。ちょっと早いですが、これまでの4年間、どうもありがとうございました。
続きまして、アトレチコやモナコからオファーが届いているといわれる、ルドビク・ジュリについて。フランス復帰が濃厚と推測される右エストレーモですが昨日、彼の代理人がバルサのジュリに付けている値段に対し、苦言を呈しています。代理人アラン・ミグラッシオ曰く、「ジュリは3年前に600万ユーロでバルサに移籍し、その後は2度のリーグ制覇、チャンピオンズ制覇に貢献するなど、高い成果を残してきました。その彼に対し、今バルセロナが500万ユーロを要求するのは、いかがなものか。これは彼を欲しがるクラブにとっては、高すぎる額です」。いずれにせよ、ジュリの契約は残りあと1年。彼にサビオラの道を歩ませるわけにはいきませんので、妥当なラインで決着はつくものと予想されます。
そしてラストは、ついにチアゴ・モッタがマーケットに出されることになるという話です。未完の大器といわれ続けながら、ついに開花することのなかったモッタ。トーレ・ヤヤの獲得に成功したことで、バルサには彼の居場所はなくなってしまいました。トーレのプレゼンで、コパ・アフリカで彼が不在になる件につき、チキは「マルケス、エヂミルソン、あるいはイニエスタでカバーする」とコメント。ああ、チアゴ。事実上の戦力外通告です。チキがたまたま、度忘れしたわけでもありま |