ラポルタの分析。
会見にて、この一年を振り返った会長。
FCバルセロナ最高責任者から言葉を搾り出してやろうと、100人以上の報道陣が詰め掛けたカンプノウの記者会見室にジョアン・ラポルタが姿を現したのは午後1時すぎのことでした。会長がこの一年を総括し、来季に向けた構想の一部も発表されるとあり、メディアの関心は非常に大。現地ではこの模様はラジオのみならず、テレビでも生中継されています。この会見はおよそ45分ほど行われ、その中で会長は今季の失敗はすべての関係者に責任があること、チーム内に気の緩みがあったこと、ライカーやクラックたちの残留について、来季の補強予定に関して、などを語っています。特にファンの注目度が高いのはロナウジーニョらの将来に関する会長見解でしょうから、そこらを中心に、ラポルタの言葉を紹介します。
◇ラポルタ、かく語りき
100人以上の記者、20人のカメラマン、15台のテレビカメラに取り囲まれ、すべての発言に熱視線が注がれている。考えるだけでハードであり、しかも失敗に終わったシーズンの総括を行わねばならないわけですから、そのプレッシャーたるや想像に難くありません。そんな一般人では味わうことの出来ない記者会見にて、FCバルセロナ会長ジョアン・ラポルタはまず06/07は「リーガとコパを失ったことで、深い失望を感じたシーズンだった」と振り返っています。そして会長としてこの一年で起こったことを分析した結果、「皆が自分たちに甘かった」ことが大いなる失敗の大いなる要因になったと述べました。以下、バルサ会長によるコメントの抜粋です。
○選手たちの姿勢について
「個人的な分析をすれば、チーム内にはそのプロフェッショナル精神、仕事ぶりといった点で脱帽するしかない選手たちと、なんら非難するところのない選手たちと、その振舞いが望まれていたものとは異なっていてガッカリさせられた選手がいるよ。それが誰なのかというのは、私は公の場で明らかにするつもりはない。汚れ物の洗濯は、自分の家でやるものやからね」
○チーム内の規律について
「このような状況を招いたという点で、チーム内の規律に重大な問題があったね。まず惰性による自分たちへの甘さがあって、能力だけで状況をどうにかできるというような感覚もあった。それゆえに私は火遊びが過ぎ、火事になったと表現したんや。今回は、ロッカールームでの振舞いを制御すべき安全装置が、その問題を感知せんかった。私のところへも、情報が正しく伝わってなかったね。監督やセクレタリオ・テクニコは、この問題を解決できてたんやないかと思う。今も以前も、彼らへの信頼は変わることはないけどね」
○エトー問題について
「役員会としては、エトーに何らかの罰を与えるべきではないかと監督に伝えたよ。ただ監督の思うとおりにすればいいとも言ったし、監督は今回の選手の発言はグループ内で解決できるし、特に罰は必要ないという意見やった。それで私たちは監督とセクレタリオ・テクニコに処分を委ねたんや」
○内部規律の徹底について
「今後は、クラブ内の規律に関する規則を厳格に適応していくことになるやろう。選手たちのプロフェッショナル精神の欠如を見逃すことはないし、クラブとしての行事に参加する選手の振舞いについても、きっちりと管理していくことになるやろう。彼らにはそれを果たす義務があるからね。これらについては、監督の同意も得ている」
○ロナウジーニョとエトーの今後について
「役員会、会長、セクレタリオ・テクニコ、そして監督は来季もロナウジーニョとエトーが残留することを望んでいる。私たちが彼らが残留すると考えるその理由、それは彼ら本人の口から、残留するという言葉を聴いているからなんや。ロナウジーニョとエトーは私に、ハッキリとそう言った。私はそれを根拠に話しをしているし、クラブも彼らの残留を希望しているよ。彼らにはこれからも長くクラブにいてもらいたいし、売りにも出してない」
○ライカーの今後について
「フランク・ライカーは来季もバルサの監督であるし、更なるモチベーションをもって臨んでくれることになるやろうね。彼は今季どういったエラーを犯したかを分かっているし、そういった点においても、高いモチベーションを持っているといえるんや。役員会は全会一致でライカーの続投を望んでいるし、ライカーは自己反省と分析によって機能せんかったことがあると気付いてる。彼は常に、現状を改善しようとする人やからね。バルサにとってのベストは、フランクが監督を続けること。それに彼は非常にやる気を出していて、来季の開幕を心待ちにしてるんやからね」
◇反省を、実行へ
その他にも会長はあれこれと記者団の質問に答えているのですが、主だったところはこんなところです。不祥事を起こした企業や団体の会見にて不信感を増幅させるパターンは、登場した責任者たちが現実と真っ向から対峙し、真摯に自分たちの非を認めないことによって発生します。ジョアン・ラポルタがこれからもソシオ諸氏の信頼を得ていこうとするならば、逃げも隠れもせずに反省点を洗いざらい発表し、それを全力で解決していくという姿勢を示すしかありません。会長は昨日、クラブとしての反省と自己批判を語りました。深い失望を与えるシーズンだったことを認め、もっと会長として出来たことはあったと後悔もしています。テクニコのエラーや選手たちの姿勢の欠如も認めました。そしてクラブ全体として自分たちに甘く、惰性で勝利を信じていたとも。
この会見でラポルタが言いたかったことは、自分もソシオ諸氏と同じく失望もし、会長としての責任を痛感しているということ、そしてロッカールームの自己管理力に任せきるのではなく、クラブとしてこれからは規律を守らせる方向へ転換するということです。これにより、一番たいへんかもしれないのはフランク・ライカー。今後は一切の特別扱いは認めないという方針の下、大スターたちをかっちり管理していけるのか。そしてチキや役員会が、監督のサポートを上手くやっていけるのか。本気で内部規律の徹底を考えているのなら、クラブとしてのサポートは欠かせません。正直、クラックたちが残留するとなれば、どこかに火種はくすぶっていくことになるのでしょう。次にピンチが訪れたとき、それが大爆発を起こさないか。内部規律に関する方針転換は不可欠でしょうが、どうしても不安も残ります。ま、ポジティブに考えることにしましょう。アニモ、ライカー。
いかにしてコンディションの調整不足に陥ったのかなど、もうひとツッコミ欲しかったところや、人によってはライカー続投に疑問符を投げかけたくもなるでしょうが、大筋としてのラポルタの分析には、納得のいくところです。クラブは慢心によるエラーを犯し、会長は率直にそれを認めました。今季の失敗はある程度予見できていたのに、罠に落ちてしまった。それが何よりも残念なので、次はしっかりと対策を練ってもらわなければなりません。幸い、バルサは自分たちでミスに気付き、進路を修正しようとしている。来年の今頃、あの教訓が生きていたねと笑っていることを願うばかりです。
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