反省のロナウジーニョ。
自らのプレーがレベルに達してなかったと、認めるクラック。
06/07シーズンはロナウジーニョ・ガウチョにとって、不本意な一年でした。W杯での早期敗退によるバッシングから、休養を取れないままでのアメリカツアー、そしてコンディションが上がらないままのシーズン本番。エトーやメッシといった中心選手の離脱を支えるという重圧に耐え、自己最多ゴール数を記録しながらも、容赦なく批判は向けられました。そしてシーズンを終えようとしている今、ブラジリアン・クラックは数日後に起こりえる奇跡と、来季へ向けた調整へと神経を集中させています。期待に応えられなかったのだから、批判は当然。来シーズンはコンディションを整えてガンガン行く。どうやらロナウジーニョ、かなり本気で燃えてます。
◇親友マキシ・ロペスの幸運を祈る
そういえばここ最近、「ロナウジーニョはカンプノウ内のジムにて調整を行った」というクラブ発表を目にする機会が減りました。なくはないのですが、以前に比べると確かに減っているのです。シーズン途中は週に5日はジムトレーニングではないかというペースだったのに、まるで別人のよう。いや、本当に“別人”になったのかもしれません。本日付のムンド・デポルティボ紙にはロナウジーニョへのインタビュー記事が掲載されており、それを読むと彼が今季の失敗を認めて反省し、同じ轍は踏まないようにすでに準備を始めていることが分かります。今季はコンディション調整に失敗したのがほぼ全てであり、来季は絶対にこのようなことにはなりたくない。夜遊びが減るのは考えられないとしても、昼間の練習はきっちり行い、過去2シーズンのレベルを取り戻す。そういう気持ちが伝わってきます。
インタビューはまず、日曜日の運命のリーガ最終戦から始まっています。開口一番、ロナウジーニョが語ったのは「奇跡を信じている」という言葉。「まずは自分らの仕事を果たすことだけを考える」としながらも、奇跡はあるとクラックは言います。バルセロニスタとしては、その奇跡の立役者がマキシ・ロペスになってもらえれば言うことなし。実はこのマキシ、ロニーとは大の親友だそうです。そこでこのアルゼンチン人についての質問となるわけですが、ロナウジーニョは金髪の友人について次のように答えています。
「僕らはめっちゃ仲がええけど、フットボルの話はせえへんのや。今回はまだ電話はしてないよ。でも彼に幸運が味方することを願ってるし、そう確信してるよ(笑)。彼はチェルシー戦のようなビッグゲームで得点を決めてるし、ベルナベウでも可能やと思う。今回アカンっていう理由はないよね?」
◇来季の課題はフィジカル
今季、バルサはよもやの形でマドリーにチャンスを提供してしまいました。このままの順位でシーズンが終わると、まさにクレにとっては悪夢のシナリオです。そこでその結末を“マドリーが勝った”と判断するか、“バルサが負けた”と捉えるかですが、ロニーは「その両方。僕らが機会を手放し、マドリーがそれを利用した」と考えています。もちろん、「まだ結末は分からない」ことを大前提として。とはいえ、ここまでこれほどに苦労する羽目になった理由を分析することは可能です。この一年のバルサは、何かとやらかしてはいけないことをやり、ドツボにハマってきたことは否定できない。なかでもロニーが“これは来季はNG”と考えるのは、次のようなものです。
「今年はええ時期もあれば、悪い時期もあったし、中心選手に怪我人が出たりして、チーム力が若干衰えたね。それにちょっとした不運もあった。去年はもっと、ゴールが入っていたんやから。僕らがこれからやるべきことは、今年以上に努力をして、フィジカルを高いレベルに持っていくこと。それがめちゃくちゃ重要なんや。それに僕らは気付いてるし、次のシーズンを迎えるにあたっての課題やと思ってるよ。個人的に変えるべきことだってあるし、僕はもう作業を始めてる。たとえばコパ・アメリカを断ったのもフィジカルを整えるため。今季はフィジカルでかなり苦しんだからね。僕はまず、心地よくプレーするためのフィジカル作りを基本としてやっていきたいと思うんや」
◇スーペルクラックの自己批判
この一年、バルサは主要タイトルをことごとく逃してきました。ロナウジーニョは「それもフットボル。毎年チャンピオンズやリーガを簡単に勝てるわけやないよ」と言いつつも、ダメだった責任は「僕ら選手にある」と認めています。たしかに外部からも影響は受けるけれども、なんだかんだいって全力で任務を果たすべきなのはロッカールームであり、チームがいい仕事をして、いいコンディションを整えることが出来れば、間違いなくバルサは素晴らしい結果を出すことが出来るだろうというのがロニーの見解です。その意見、大賛成。そして今季は自分はいい仕事をやれなかったし、他の選手たちも「もっとやれた」と感じているのだと第2カピタン。自らの仕事への自己批判は、次の通りです。
「僕は他のチームメイトたちと同じレベルで、練習をやってこれんかったし、それがかなり高くついたよ。個人的にはもっともっと努力は出来たと思うし、そういった意味で、僕はチームメイトと同じレベルで仕事が出来るよう、次のシーズンの準備を始めたいと思ってるんや。今年一番サイアクやったのは、やっぱりタイトルを逃したこと。ウソを書かれて嫌な気分になったりもしたけど、最高のチームがありながらも期待に応えられんかったんやから、批判を受けるのは当然のことや」
ここでロナウジーニョが差しているウソというのは、例の“おなかのぜい肉騒動”であったり、扁桃腺炎を“伝染性短核球症(俗称キス熱)”だと書かれたこと。これにはさすがに、彼もむかっ腹が立ったことを明らかにしています。そしてそういう記事が出た理由については、「書いた人のことなんて分からない。世の中にはええ人ばかりやないし、売りたいがために好きなことを言う人もいる」とコメント。イライラはさせられるけど、それでも自分らが勝ってないのだから仕方のないところもあるとオトナの見解も示しています。「僕らが勝ちさえしていれば、去年のようになってたやろうしね」と。そして反省の言葉を繰り返すクラックです。
「今年は、フィジカルがあかんかったよ。いいゲームを続けていくためのええ感覚が、今年はなかったんや。回復をするのがすごく遅れてしまったし、疲れもした。それが痛かったね。でもいい感じに戻ってはきてるし、間違いなく、すぐに元に戻ると思う。今年はええ時期もあったし、たくさんのゴールを決められた。でも欲しかった継続性が手に入らんかったね。確かにゴール数では、すごくええ記録を残したよ。でも継続性や、プレーのリズムといった僕の望んでいたものは手に入ってない。それにタイトルも失ったわけやから、数字にたいした意味はないよ」
◇エトーとは一切問題なし
そして先日のエヂミルソン発言や、エトーの「デフェンサを補強すべき」発言など、今季のバルサはチーム内からちょっとした意見がもれ聞こえることが多くなっています。外野の人間からすれば、グループ内に不協和音が起きているのではないかと思ってしまうもの。しかしロニーは「それはないと思う」とし、「物事が上手くいかないときは、さらなる団結が必要」だと語りつつも、「ロッカールームはいつもと変わりなく見える」と念を押しています。こちらとして気になるのは、特にエトーとロナウジーニョの関係。彼らに緊張感が走っているとするメディアは多いですし、それを根拠としたエトー放出説も後を絶ちません。この点に関し、ロニーは次のように説明をしています。
「僕は彼となんの問題もないよ。というか、問題があったことはないね。エトーとプレーするのは楽しいし、ピッチ内ではいつもよく理解しあえてる。彼が横にいるとプレーするのがとても簡単なんや。問題発言と騒がれたときも、僕らの間には一切トラブルはなかった。あれは誤解なんや。僕が言ったことを、他の人がまったく別のことにするんやからね・・・チーム内には話すときに燃えやすいタイプと、穏やかなタイプがいるけど、僕は彼とはなんの問題もない。僕らの関係はすごくええよ」
マドリ系ラジオ局Cadena SERは昨日も「バルサにエトー残留の意思なし」と報道し、それ以外にも途絶えることなく工作情報が流れ込んでくる今日この頃。思わず信じてしまいそうになる自分もいますが、そんな時こそ、“メディア・リテラシー”の出番です。実しやかに語られるエトー放出説を信じるのか、昨日の練習でも常に行動を共にしていた二人のクラック情報を信じるのか。イマイチ確信できないのは役員会の考えではありますが、ラポルタとエトーの関係を信頼するだけです。いくらエトーが時折バクハツすることがあるといっても、いくらライカーがたまに何を考えてるのかがよく分からないことがあるとはいっても、さすがに彼を“構想外”はないっしょ。スポルトのウェブ調査では、実に71%が来季も二人の共存を希望。この“世論”にも、敢えて抵抗することはないと思われます。
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