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トップページバルサニュース過去記事>5月14日

 

2007年5月14日

1-1:自力V、消える。

 

残り4節にして、首位をマドリーに手渡した。

まさか、このようなことになろうとは。ヘタフェでの惨敗は、思いの他バルサをすり減らしてしまいました。リーガの最終局面において、バルサがポイントを落とす可能性があると考えられていたのは来週のアトレチコ戦。このベティス戦は内容はともかく3ポイントは大丈夫だろうというのが、一般的な見解でした。しかし3日前にコパでよもやの敗北(しかも歴史的な)を喫し、そのダメージを引きずったままの試合にて、89分に同点ゴールを決められて首位を陥落しようとは。フットボルの神様にとっては、どうやら国王杯敗退だけでは物足りなかったようで、満身創痍のバルサはさらに苛烈な試練を突きつけられることになりました。これにてリーガの首位はレアル・マドリーに明け渡すこととなり、彼らがミスをしないかぎりはバルサの優勝はなし。それどころか、2位以内を確保することも容易ではない状況です。

 

◇悪夢の4日間

バルセロニスタにとって、この2007年5月10日から13日にかけての4日間は、“悪夢”として後々まで記憶に刻まれていくことになるでしょう。1週間前にはまったく予想だにしなかったことですが、フットボルとはなんと厳しく、残酷なのでしょうか。決勝進出は間違いないと誰もが考えていたコパにて、ヘタフェに奇跡の逆転を許したかと思えば、降格争いの最中にあり、プレー内容も優れているとはいえなかったベティスにカンプノウで89分に同点にされてしまうとは。バルサにとっての正念場は、次節のアトレチコ戦であるはずでした。けれどもコパでの大敗北は、チームに甚大はダメージを与えてしまいます。チームとしての勢いは完全といっていいほどに消滅し、ジリ貧状態になっていくばかり。前日、88分にエスパニョールから逆転勝利をしてみせたマドリーとの勢いの差はあまりにも歴然としており、初夏の日差しが目に痛いほどです。

土曜日の現地時間21時、エスパニョールがベルナベウでのゲームを1-3で折り返した時点で、バルセロニスタは「この週末は最高の結果になるかも」という幻想を抱いていました。メレンゲはついに手痛い敗北を喫し、バルサは順当にベティスに勝利する。両チームの差は、5ポイントに開くことになる・・・と。しかし終わってみれば、差は広がるどころかゼロとなり、直接対決の得失点差によって、ここまで守り続けてきたリーダーの座までもを譲り渡していようとは。さらに優勝戦線からは一歩退いたものの、2位戦線では十分すぎるほどに可能性を残しているセビージャが2ポイント後方に。悲観的に考えたくはないですが、今のバルサはリーガ3連覇どころか、チャンピオンズ予選免除すらも脅威にさらされているといっていい状況にあります。予選参加、それはあまりにも重過ぎる“罰”です。

 

◇心技体、あるのは「技」だけ

残るリーガは4試合。ジョアン・ラポルタやカルラス・プジョルなどは、「マドリーがすべてに勝利することはないだろう」という見解を示してはいますが、今の彼らの勢いとしぶとさを考慮するに、それは希望的観測であるともいえます。バルサとマドリーのどちらがこれから4連勝するかと考えれば、白組である可能性のほうが高いと(悔しいながらも)認めざるを得ない。メレンゲはシーズン最後のフィジカルの疲れをメンタルの充実で乗り切っていますが、バルサにはその頼みの“ビタミン剤”はありません。なんといっても、このバルサには基本としてのフィジカルが出来上がっておらず、支えとなる気持ちも切れている(ように見える)ので、後半の最後までエネルギーが続かないのです。それがここ数週間の、両チームの差となって如実に結果として現れています。今のバルサは、あまりにも脆い。そしてその脆さはシーズンのこの段階にきて改善できるものでもありません。

なぜヨーロッパ王者に輝いたチームが、ここまで壊れてしまったのか。その理由はこれまでイヤというほど語られてきましたし、これからも語られていくでしょう。プレシーズンの過密スケジュールに始まり、修正すべきシーズン途中でも適切なトレーニングを行わせてこなかったこと。真の勝者と呼べる状態には到達していないのに、勝者だと思ってしまった勘違い。努力を怠った選手たち、放任しすぎたテクニコたち、そして役員会までもを含めて、すべての関係者の行動結果においてこのバルサの悲しい現状はあるわけです。今季は、これをどうにかしようと思っても手遅れ。あとはいかにこれを将来への警告とするか、気は早いですがそれしかありません。上手く事が運べば、最後にバルサはリーが優勝を決めているかもしれない。それは放棄する必要はないですし、全力で挑んでもらいましょう。しかし結果がどうであれ、この過ちを繰り返さないことが重要です。

ベティス戦もそうでしたが、このところのバルサはことごとく、ゴール前でのチャンスを逃しています。ボールタッチとしてはほんのわずかの誤差なのですが、ここまで運に見放されるのは偶然ではないはず。ハイレベルで極限の争いをするとき、最後の勝負を決めるのはフィジカルがしっかり準備を整えているか、そこがカギになるのでしょう。敵が執念で守るゴール前では、できるだけ身体はフレッシュなほうがいいし、それに裏打ちされた精神的な余裕だってあるほうがいい。心技体の三要素が勝利には不可欠といいますが、今のバルサには「技」しかない。準備不足によって「体」はヘロヘロ状態、勝てないことで「心」もグラグラ。フィジカルとメンタルの準備がいかに重要かが身に沁みて分かった今シーズンでしたが、その授業料をどれだけ高いものとするかは、これからの4試合で決まります。正直、もうこれ以上の授業料はご勘弁。頼みます、奇跡の4連勝。

 

◇プジョル「最後まで諦めない」

ヘタフェ戦のダメージを消し去るような、起死回生の圧倒的勝利を心のどこかで期待していたベティス戦。ラポルタの要請どおりにチームを全力で鼓舞したスタンドの声援もむなしく、バルサはリアクションを示すことができませんでした。残ったのは“傷ついたバルサ”というイメージと、ラポルタ政権初となるハンカチ乱舞(パニョラーダ)が登場したという事実くらいです。自力優勝は消滅し、あとは自分たちが全てに勝利した上で、マドリーのつまづきを待たねばならない。どうにか希望の言葉を見つけようとしても、タイトルを心から信じるだけの根拠は残されてはいません。シーズン最初に「6冠だ!」と息巻いていたチームが、最後は神頼みとは。しかもバルサは自分たちの手によって、自分たちの不手際によって、マドリーに最初は存在もしていなかったチャンスをプレゼントしてしまったというのが痛すぎます。最後の望みの糸は、打ちひしがれた選手たちが今一度、その誇りによって闘志を奮い立たせてくれること。せめてもの活気付けとして、カピタンプジョルのネバーギブアップ宣言を紹介しておきましょう。チーム全員がプジョルならいいんですが。

「彼ら(マドリー)にもまだ4試合が残っているし、そのどれもがすごく難しい試合や。僕はマドリーが、その全てに勝利するのは難しいと考えてるよ。僕らは残りの4試合でリアクションを起こせるし、もしそのすべてに勝利することができれば、カンペオンになっているのは僕らやと思う。僕らに必要なのは、チームを信じ、最後まで決して闘う姿勢を捨てへんこと。誰にだって失敗をする可能性はあるし、全てはイーブンなんや。諦めずに闘っていれば、チャンスは来る」

 

 

 

 

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