白組が残った。
久々となる、“2強”によるタイトルマッチレース。
開幕以来8ヶ月あまり、紆余曲折のあった06/07リーガ・エスパニョーラもいよいよ、最終局面に突入してまいりました。カンペオン・バルサへの挑戦権をかけたサンチアゴ・ベルナベウでのライバル直接対決は、なんだかんだで底力を見せているレアル・マドリーの勝利という結果に。これにてタイトル争いはバルサとマドリーの2チームで争われるという形となり、“2強”といわれる両雄が久々に激突するというシナリオに、俄然メディアは盛り上がっていくことになるでしょう。リーガはこれで残すところ5試合。引き分けすらも許されない、“永遠のライバル”同士によるマッチレースがチームとファンを待っています。シーズン最後のここにきて、つじつま合わせ的にヒートアップしてまいりました。
◇セビージャ脱落、勢いづく白組
サンチアゴ・ベルナベウでの二位三位チームの直接対決は、終了間際のニステルローイのゴールが効いて、白組さんの勝利(3-2)となりました。これにてバルサとマドリーのポイント差は先週末と変わらず「2」のまま、セビージャは一歩後退して「4」差と変化しています。残り5試合、何が起こるか分かるものではなく、4ポイント差だって十分にチャンスは残っているのですが、3冠を狙うセビージャにとっては手痛い敗北であることは確実。とりあえずは分かりやすい構図として、リーガ・エスパニョーラの歴史を作り続けてきた2つのビッグクラブによる最終決戦という形が出来上がったことになります。シーズン途中は“しょっぱい”風が吹いていたリーガでしたが、この局面でこの状況というのは、見るものとしては結果オーライというところでしょうか。最大の追撃者として、すぐ下にメレンゲがきている。クレのハートを燃やさずにはいられません。
今季もぶっちぎりで優勝を飾る予定だったバルセロニスタにとって、5月にもなってまだ「この3ポイントには全てが懸かっている」なんていう“崖っぷち”状態にあるなどとはまったく想像もつきませんでした。シーズン中盤の追っ手たちのノロマぶりから考えるに、早々にバルサは彼らの追いつけないところへ行っていると予想するのが妥当なラインでした。同様に、アゴ軍曹が解任の淵まで追い込まれたメレンゲが、まさかタイトル争いをやっているなんてことを本気で信じるマドリディスタも、数ヶ月前には存在していなかったはずです。正直なところ、彼らはあの時点で死んでいました。それを親切にも甦らせたのは、「3年目ともなるとただ優勝してもつまらない」と思ったわけでもなんでもない、FCバルセロナの“フエラで勝てない症候群”です。
出来るならばセビージャにはもう少し頑張ってもらいたいところでしたが、マドリーが生き残ってしまったんだから仕方ない。最後に優勝するのはバルサであることに変わりはないとして、白組がその伴走者であるというのは、楽しげでもあり、鬱陶しくもあり、微妙な感覚です。それでもやはり、永遠のライバルを下しての3連覇のほうが、ドーパミンが大量に放出されて気持ちいいに違いないわけで、ポジティブに歓迎としましょうか。レースの最終ストレートは、この局面にきて追い上げてきたチームのほうに勢いがあります。追われる方には、幾ばくかの“恐怖感”もあるでしょう。しかしバルサには、それを跳ね返すポテンシャルも実行するメンタリティもある。バルセロニスタとして、そう信じます。とにかく、不完全燃焼だったシーズンも、ラストになってようやく見せ場がやってきました。残り5つの決勝戦を、存分に楽しむことといたしますか。
◇5つ全部勝つ
ここで一度、今後5試合のカレンダーを見てみましょう。
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バルサ |
マドリー |
セビージャ |
| 第34節 |
ベティス(C) |
エスパニョール(C) |
レクレアティボ(C) |
| 第35節 |
アトレチコ(F) |
レクレアティボ(F) |
デポルティボ(F) |
| 第36節 |
ヘタフェ(C) |
デポルティボ(C) |
サラゴサ(C) |
| 第37節 |
エスパニョール(C) |
サラゴサ(F) |
マジョルカ(F) |
| 第38節 |
ナスティック(F) |
マジョルカ(C) |
ビジャレアル(C) |
(C)が本拠地での試合、(F)が敵地での試合です。一目みて分かりますように、タイトル争いのカギを握っているのは、ビセンテ・カルデロンでのバルサ対アトレチコ、そしてラ・ロマレダでのサラゴサ対マドリーとなるでしょう。この2試合は、両チームにとって苦手とするスタジアムでの戦い。バルサはこの試練を乗り切ることが出来れば、残り3つのカンプノウ戦は確実に勝利を収め、最終節を待たずして優勝を決めることも可能です。というか、なんとしてでも乗り切らなければならないのです。
メレンゲは対戦カードからして、負けはあまり期待できそうにありません。数ヶ月前には想像もつかないことでしたが、この5月になって、カペッロ・マドリーは今一番“波に乗っている”チームです。選手たちの士気も高く、夢物語に過ぎなかった逆転優勝が現実の範囲となり、相当に気合が入っています。最悪のタイミングで、最悪の相手に希望を与えてしまったといっていいでしょう。となれば、メレンゲは残り5試合を全勝してくると考えるのが無難です。となればバルサも、同じように勝ちを連ねていくしかない。ゴールアドバンテージはカペッロ側にあり、引き分けすらも“死”を意味するのですから。
ファン心理としては、メレンゲさんは「軽くあしらってやるよ」くらいの気持ちでいきたいのですが、実際にここにきての彼らの粘り強さを目の当たりにするにつけ、「かなりの警戒と気合が必要だ」と考えざるを得ません。以前は空中分解の際にあったマドリーですが、今はファンを含めたクラブとしての一体感がある。これは正直、厄介です。しかしバルサはそれを、気に病む必要もありません。バルサはバルサのことだけに集中し、全力で試合の準備に取り組み、苦しもうがどうしようが、3ポイントを積み重ねていくだけです。ライカー・バルサが成すべきことは、マドリーとのこの2ポイント差を死守すること。勝ち続けねばならないのは、こちらもあちらも同じです。相手の失敗を待たなくてもいいだけ、バルサは有利な立場にあるのです。自信をもって、どんといってみましょうか。最後にパレードをするのはこちらだと信じて。
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