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2007年4月25日

ボージャン、夢の第一歩。

 

カイロでの親善試合にて、初出場・初ゴール。

ビジャレアル戦で傷を負うという、微妙なタイミングで行われたエジプト遠征でのアル・アハリとの親善試合はバルサにとって、とりあえずはいい形で終えることが出来ました。サビオラ、ボージャン、エトーらがゴールを決め、0-4での快勝。いわゆるお祭りでのゲームではありましたが、期待の超新星ボージャンがトップデビューを飾り、なおかつ得点まで決めてしまったというのは、とにかくメデタイこと。まだ彼は16歳、カンプノウを主戦場とするには幾ばくかの時間が必要となってはくるのですが、このまま順調に成長していけば、トップチームでスターになれる素質があることが証明されたわけです。バルサカンテラ待望のゴレアドールが、その一歩を刻みました。

 

◇ゴール感覚を取り戻す0-4

アフリカ王者アル・アハリのクラブ創設100周年を記念した行われたこの試合、フランク・ライカーは思い切った先発メンバーを組んできます。ゴールを守るのはバルデス、その前にはザンブロッタ、マルケス、オルモ、そしてシルビーニョ。中盤はイニエスタ、グジョンセン、エスケーロという顔ぶれで、前線がジュリ、サビオラ、ボージャンの3人です。守備を無視した中盤の構成がなかなかに素敵で、やはりというか、守りはグズグズだったようです。しかしお祭りムードのアル・アハリもまた本気モードとはかけ離れていたようで、バルデスがピンチに追い込まれるという場面もさほど訪れず。クラックの大半をベンチに温存したバルサではありますが、それでもゴレアーダを決めてくれました。

先制点は17分、コーナーにてマルケスがすらしたボールを、ファーポストのサビオラが詰めてゲット。そして25分にはグジョンセン、サビオラとつながったボールがボージャン・クルキックへと渡り、若きカンテラーノは相手ポルテーロに詰め寄られながらも、上手くその左横を抜くバセリーナを決めてくれました。16歳、しかもトップチームでの初めてのゲームで、冷静にこのようなゴールを入れてしまうとは。トップに彼が定着するのが何年後かはまだ分かりませんが、とにかく楽しみな選手であることは間違いなし。早くその日が訪れますように。ゲームは後半、77分と94分にエトーが追加点を決め、バルサの0-4で終了しています。とりあえずはチームにとって、いい感覚を呼び戻すための“ビタミン剤”になったことを期待しましょう。

 

◇メッシ、そしてボージャンへ

今はバルサの中心選手としてR.E.M.トリデンテの一角を担い、世界中に名を馳せようとしているリオネル・メッシがトップチームデビューを飾ったのは3年半前、シーズン途中でのオポルトとの親善試合でのことでした。あの時はたしか、ユーロ2004にむけたドラゴン・スタジアムの完成記念試合であり、ライカーによって召集を受けたメッシは後半に途中出場をしていたはずです。そして時は流れ、今度はエジプトはカイロでのアル・アハリとの親善試合。まだあどけなさの残るボージャン・クルキック青年が、メッシと同じ16歳でのトップデビューを果たしました。しかもゴールまで決めてしまうという、オマケつきで。これもなにかの因縁でしょうか。

ボージャンの背番号は、バルサやオランダでは“伝説”となっている14番。奇しくも今日、還暦の誕生日を迎えるヨハン・クライフを連想させるナンバーです。彼にライカーが与えたポジションは、普段はロナウジーニョが担当する左サイド。しかも偉大なるブラジル人クラックと同様に、行動の自由を許してということですから、ライカーはボージャンがどれだけ才能を存分に発揮させるかを試してみたかったのでしょう。そして彼はそのボスの期待に応えてみせるのです。

 

◇「夢がひとつ叶った」

「まだ夢を見てるようやね。だって、ずっと夢見てきたことが現実になったんや。でも今はまだ、ゆっくりと進んでいかなあかんよね。僕はまだ16歳なんやからね。でもトップチームでのデビューはいつも夢やったし、それが16歳で叶って、ゴールだって決められた。これ以上は望むことなんて出来へんよ。この2日間は、一生忘れることはないやろうね」

これが小さな頃からの夢を現実のものとした、ボージャンの最初の感想です。メッシにも言えることですが、その言葉は喜びに溢れながらも、けっして先を見すぎることはなく、謙虚。きっと、親御さんの育て方が素晴らしいのでしょう。そしてデビュタンテには恒例となる、“初めてピッチに出るときの感想は?”という質問。これにクルキック少年は、次のように答えています。

「こんなに大きなスタジアムでプレーしたことは、これまでになかったし、少しナーバスになっていたと思う。でもプレーをやっていくうちに落ち着いてきたし、キックオフの瞬間から、ボールをもらいたいっていう気持ちはすごく強かったね。監督には、自分にやれることを思いっきりやってこいって言われてたよ」

そしてゴールに関しては、「シュートが入った瞬間、抑えようのない感覚が溢れてきて、僕はそれをどう表現してええのか分からんかったよ。まだ夢を見ているようでもあったんやけど、これまでに自分がやってきたことへのご褒美なんやという思いもあった。このゴールは、これまで僕を支えてくれた人たちすべてに捧げたいと思う。それから、僕をすごく助けてくれて、落ち着いて楽しくプレーしろって言ってくれたサムエル・エトーにもね」と語るボージャンです。

 

ひとまず、今日は友人・知人らから怒涛の祝福メール&電話ラッシュを受けることでしょう。存分に、それを楽しんでください。そして明日からは、また現実としてのバルサB生活。じっくりと能力を蓄え、本格的なトップ昇格に備える日々です。メッシ以上の“ゴールへの嗅覚”を持つといわれ、バルサカンテラ待望の点取り屋ボージャン。“ペップ・グアルディオラの後継者”ばかりを(いい意味で)輩出してきたカンテラがついに生み出した、最高傑作の呼び声も高い逸材です。一日も早いカンプノウでのプレーが心待ちにされますが、ここで焦りは禁物。じっくりとクラックたちと練習を行うことで、さらに土台を強固なものとしてもらいましょう。バルサには、最高の教師たちがゴロゴロいます。偉大なる先輩たちからいっぱいいっぱい学び取り、満を持してトップに上がってきてくれますよう。いやぁ、楽しみだ楽しみだ。

 

 

 

 

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