2-0:何やってんだか。
またもフエラにて、悲惨なイメージを残す。
前日にマドリーがバレンシアを下し、直前にはセビージャも順当に勝利。リーガを確実に主導権をもってコントロールしていくためには、3ポイント以外の選択肢はないことを知ってのビジャレアル戦は、バルセロニスタにとってまたも忘れ去りたい記憶となりました。ゲームは支配しながらもチャンスを逃し続け、カウンターを食らって失点。リアクションを起こすことなく、そのまま敗戦・・・。バルサの今季のフエラでのダメゲームを象徴するような惨めな黒星にただ、失望のため息を漏らすだけです。これによってライバルたちは肉薄し、希望の灯を再点火させました。タイトル争いはまたも混戦へ。この調子だと、かなりややこしいドラマとなりそうです。
◇落とせないポイントを、落とした
マドリとセビージャが勝利し、暫定的に1ポイント差、2ポイント差に迫って迎えたビジャレアル戦のキックオフ。それぞれへの差をもう一度安心のいく4と5に戻すためには、バルサに与えられた選択肢は勝利しかありませんでした。王者としてのリアクションが試される、プレッシャーを受けての3ポイントが義務付けられての試合です。苦手とするフエラで、しかもエル・マドリガルで、引き分けすらも許されない。けれどもヘタフェ戦のいいイメージをチームは維持しており、ロナウジーニョだって戻ってきた。苦労はしてでもどうにか白星とともにバルセロナへ帰郷できるに違いない。そうバルセロニスタは期待していましたし、選手たちもそうだったことでしょう。
試合前日の会見でライカーが求めたのは、ゲームに臨む姿勢でした。気を緩ませることなく、集中して自分たちのやるべきことを行っていけば、結果は自ずと付いてくるものだ。その教えどおりにバルサは序盤から積極的に試合を決めにいきます。中盤のチビッ子トリオは気持ちよくボールを回し、先週は扁桃腺炎で2試合を欠場していたロナウジーニョの動きも悪くはない。チームからは“勝って気持ちよく帰りたい”という、やる気が伝わってきました。
しかし上手くはいかないもので、この日の前線のクラックたちには、もうひとつパンチ力がない。それでも29分にはエトーが、42分にはロナウジーニョがそれぞれ決定機を手にするのですが、相手ポルテーロのビエラの好守にも阻まれ、活かすことが出来ません。このどちらかが決まっていれば、そのままバルサが逃げ切れていたであろう可能性は高いです。しかし現実は、そうはならなかった。そして難しく考えすぎて失敗するという負のスパイラルに、自分たちから落ち込んでいくことになります。カウンターから失点を喫し、あとは自滅モード。チームもベンチも含め、まったくリアクションを起こせず、またも“フエラで勝てない病”の惨めなイメージだけを残し、すごすごとピッチを去ることになるのです。
◇フエラではここ5試合、4敗の酷さ
今季のライバルたちの出来栄えを考えると、バルサはこの時点で余裕のリーグ優勝を果たしたインテルやリヨンのように、危なげなく3連覇を決めていてもおかしくはありませんでした。けれども“低レベル”な優勝争いに、バルサは自分たちから喜んで参加しているかのようです。“最も強く美しいプレーをしたチーム”ではなく、“最もエラーを犯さなかったチーム”が優勝することになる今季のリーガ・エスパニョーラ。バルサはその中では少し抜きん出た存在だったわけですが、昨日の敗戦で、そのささやかなアドバンテージも消失しました。「バルサはリーガをオークションに出品した」というのが本日のスポルト紙に見られる見出し。まさにそんな感じです。
バルサの問題点、それは言うまでもなく“フエラでポイントを落としすぎている”ということに尽きます。これまで、バルサは敵地でのゲームを16試合戦い、手に入れたポイントはわずかに20。48分の20ですから、半分にも届いていない。言い換えれば、手に入れたポイントよりも、失ったものの方が多いということです。この最近の5試合でいえば、実に4試合で負けているという異常な事態。これではポイントを積み重ねることなど出来ませんし、いまだに首位でいられることが不思議なくらいです。カーサで勝つだけでは、カンペオンになるのは困難。今後もこの調子が続くのであれば、よろしくない結末が現実味を帯びてきます。残るフエラは、カルデロンを入れて3試合。多くは望みません。とにかくポイントだけでいいので、手にしてくれますよう・・・・。
◇後半にリズムを維持できない病
ところでゲーム内容ですが、前半のプレー自体はそう悪くはありませんでした。アグレッシブにプレスをかけていたし、決定的なチャンスだって作り出している。先制点さえ入れば、ゲームはもらったと選手たちは感じていたでしょう。ポジショニングも良く、前述したように「勝つ!」というやる気も示していました。「チームの姿勢は良かったけど、前半に違いを見せることが出来んかったね。ビジャレアルは試合の流れを読み、先制点を奪ったことで余裕をもって引いていた。こちらが先制点を決めていたなら、試合は違ったものになっていたやろう。相手に先に入れられたのが痛かった」というのが、試合後のライカーの感想です。いつもなら仕事をしてくれるクラックたちが、昨日は決め手を欠いた。それは時として仕方ないにせよ、その場合、事態は確実にややこしくなるものです。
ここ最近のバルサは、後半までエネルギーを持続させることが出来ないことが多い。ハーフタイムを挟んで別チーム、というのはもはや珍しくもなんともありません。理由は幾つかあるのでしょうが、結果は同じようなもの。リズムを落とし、相手の反攻を許し、失点をし、する必要のない苦しみを味わう。イニエスタをラテラルに置いたことでプジョルの仕事量が増え、戦術的な混乱を生んだことも、マイナス要素となってしまいました。昨年までなら、相手がバルサのパス回しにガス欠を起こしていたのが、今季は逆に相手に走らされること場面も多々あり、後半にリズムを保てないのです。そして集中力を失い、オフサイドトラップに失敗するなどの守備的なエラーで痛い目にあう。となれば、前半にゲームを決めてない限り、余裕をもって勝利をつかめはしないということでしょうか。後半に希望の持てないチームってのは悲しいですが、残りリーガ7試合+コパ2試合はそれでなんとか乗り切るしかありません。不安ですなぁ。もう少しでドブレッテに手が届きそうなのに、どうしてこんなに心落ち着かない、2007年晩春のバルサよ・・・。嗚呼、今日はせっかくのサン・ジョルディの祝日なのに・・・。
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