引き締めます。
自由は制限し、責任を全うしてもらう方向で。
バルサはいま、ちょっとしたピンチに陥っています。チームからはかつてのような一体感を得ることが難しくなっており、大スター選手たちにはどこかこう、“好き勝手やってます”という雰囲気が漂っている。ひとつの目標に向かい、それぞれが献身的に働いていたことなど、もう遠い過去の話のようです。けれどもカンペオン(しかも国内ドブレッテ)を狙う者として、それではいけません。早急にこのムードを立て直すことが、チームを管理する立場のスタッフテクニコや役員会に課せられた仕事。そこで昨日、ラポルタがついに動きました。ロッカールームへと行き、ライカーに状況の改善を求めたのです。チーム運営法に関しては、テクニコ内にも見直しの動きアリです。
◇求めるのは、一体感の回復
昨日の朝、ジョアン・ラポルタはカンプノウのロッカールームを訪れました。現場の人間ではない者がロッカーへ足を踏み込んで介入することには是非はありますが、ラポルタは時を見てこの行動をとります。それが純粋にチームを案じてのことなのか、メディアを使っての政治的な意味がこめられているのかは分かりません。分かるのは現会長が、自分の行為でチームをどうにか励まそう(あるいは喝を入れよう)としていることです。昨日のロッカー訪問の相手は、選手たちではなくてただ一人。きっとチーム運営で悩みを抱えているであろうフランク・ライカーです。
「大丈夫、私はあんたを信頼している」、「チームに一体感を取り戻させて欲しい」。この2つが、会長が監督に伝えたかったことだと思われます。ラポルタがライカーのことを信頼していることはずっと前から分かっていることですので、今回の本題は後者である“一体感の回復”にあるはず。外野のファンでも、このところのチームを取り巻く空気にはウンザリしているわけですから、会長やその仲間たちなら尚更でしょう。チーム内部には明らかになんらかの問題があり、それがいま噴出してきている。そしてその背景には、多かれ少なかれ管理者であるテクニコたちの姿勢がある。ならばライカーには少々方法論を変更してもらい、この局面を乗り切ろうということです。
◇クラック不在の、ハードセッション
そしてライカーも会長と同じことを考えていたのでしょう。ヨレヨレではありながらも、バルサは国内ドブレッテの可能性を自らの手に握っている。これ以上の番狂わせ(寄り道)を避けるためにはアクセルを踏み込むことが不可欠であり、緩んだ空気感を一掃する必要があると。昨日のラ・マシアでのセッションは、これまでよりも激しい内容となりました。ライカーはロンドや基礎練習をアシスタントコーチ陣に任せ、およそ30分が経過した頃にラ・マシアに登場。監督はその後チームを2つのグループに分け(チャビはどちらにも属さず、ボール奪取係)、小さいスペース内での過激プレス特訓を行わせています。その他に行われたメニューも、プレッシングによるボール奪取が中心。コーチ陣の「そう、その感じ!」という声が飛び交う活気あるセッションになったということですが、素朴な疑問。なんでそういうのを、以前からやってなかったんですかね。
ちなみに昨日の練習にも、看板クラックたちは参加していません。エトーは相変わらずカンプノウで単独練習。怪我がまだ癒えないということですが、非公開なので状況はさっぱり不明です。ロナウジーニョは風邪のため、カンプノウに顔を出してすぐに帰宅。この調子では、マジョルカ戦の活躍も期待薄かもしれません。デコはラ・マシアに現れましたが、20分ほどでトレーナーと共にカンプノウへ移動。フィジカルトレーニングを行ったという発表がなされています。いずれにせよ、彼らがトップコンディションからは程遠いというのは、間違いのない事実。この分ですと、マジョルカ戦はこの3人以外に期待ですかな。メッシさん、頼みますよ。
◇選手管理法を見直す動き
というように、結局昨日の練習にも大クラックたちは参加しなかったわけですが、本当に怪我や体調不良なら仕方ないとして、そうでない選手たちに“自由”を与えすぎるというのは問題があります。イタリア風とまでいくかはともかくとして、多少の締め直しは必要となるでしょう。実際にライカーをボスとするテクニコたちはチーム管理方法の見直しを進めているようで、看板クラックたちがいまのような“自由”を謳歌できるのも、あと少しかもしれません。いや、すぐにでもそうあるべきでしょう。アシスタントコーチであるエウセビオ・サクリスタンは昨日、次のようにコメントしています。
「チームの別の管理方法を、探していく必要があるやろうね。これまで、私たちは選手が心地よいと感じるような運営方法をずっと採用してきたんや。自由を与えることによって、責任を全うしてくれるやろうという考え方やね。このやり方が機能していたことは、ピッチ上での結果が証明してくれてたよ。けれどもそれが機能せんようになったなら、それは方法を見直すべき時期やと思う。本当に自由を与えることで選手たちが責任を果たしてくれるのか、あるいはダイナミズムを変え、彼らにもう少し要求するようにせなあかんのかをね」
エウセビオはまた「私たちがきちんと集中して仕事をすれば、2冠の可能性は大いにある」とも語っており、そのためのカギは“チームが一丸となって責任を全うすること”だとしています。成功するかどうかは、選手やスタッフを含めたチーム全体が意識を変え、練習と試合に臨んでいけるかにある。このエウセビオの考えには激しく同意しますし、次のマジョルカ戦では少なくとも“切迫感”や“闘志”をそのプレーから感じられることを期待します。
|